平成唯一の三冠王元ホークス松中氏が語る“内角論” 「苦手な奴ほど怒る」
オリックス山岡を高く評価も「あまり怖くない」、その理由は…
打者にとって活躍の鍵を握るインコースの打ち方。このインコース打ちの名人といえば、どの選手が思い浮かぶだろう。3度の三冠王に輝いた落合博満氏や、ヤクルトで活躍した古田敦也氏、今でいえば、坂本勇人や内川聖一などもいる。その中で、平成唯一の三冠王に輝いた元ソフトバンクの松中信彦氏の名前を挙げる人も多いのではないだろうか。
熊本の八代第一高(現在の秀岳館高)から新日本製鐵君津を経て、ホークスに入団した松中氏。1996年にアトランタ五輪、2000年のシドニー五輪に出場し、2006年のWBCでは日本代表の4番を務め、第1回大会の優勝に貢献。2003年に123打点で打点王を獲得すると、2004年には打率.358、44本塁打、120打点で三冠王に輝いた。首位打者2回、本塁打王2回、打点王2回、最高出塁率3回、2度のMVP受賞など、輝かしい実績を残し、2016年3月に現役引退を表明した。
現在は解説者などを務めるその松中氏が8日にオリックスのキャンプ地である宮崎市の清武総合運動公園を訪れてキャンプを視察。ブルペンで2日連続となる投球練習を行っていた山岡泰輔投手に注目した。昨季ルーキーながら8勝をあげた右腕は、切れ味鋭いボールを投げ込み、心地よい捕球音をブルペン内に響かせていた。
「球はすごくいい球を投げている。スライダーもキレているし、いいピッチャー」と、山岡の投球に熱視線を送っていた松中氏は、そのボールを高く評価した。だが、その一方で「打者からすれば、あまり怖くないのかなと思う」とも指摘した。
そう感じたのは、山岡がボール投じる際に立つ位置だ。「プレートの一塁側に立っているんですよね。そうすると角度が無くなる。左打者からすると、食い込んでくるボールがない」。右投手が三塁側に立つと、内角へのボールに角度がつき、打者から見るとえぐり込んでくるように感じる。一塁側に立つことにより、その角度が無くなり、打者にとっては怖さが半減するのだという。