メキシコで圧巻成績、DeNA乙坂が異国の地で受けた衝撃「人生で一番長い1か月」

「人生で一番長い1か月」で「心臓が少し大きくなった感じ」

「日本に比べると、メキシコは物もないし、不便だし、治安もよくない。でも、だからこそみんなが助け合っている。1人1人の心がめっちゃ豊かでした。ファンもチームメイトも他のチームの人も、うわべだけじゃなくて、相手の気持ちを察してくれる。心から人を思うってこういうことなんだなって思いました。周りの人を大切にすることで、自分にも活力が沸いて元気になる。プラスの輪っていうのかな。その空間が広ければ広いほど、試合でもいいパフォーマンスが出てくるんじゃないかと思いました」 

「人生で一番長い1か月でした」と振り返るほど、苦しいこともキツかったこともある。脱走計画も2度立てたが、それでも朝になると心は球場へと向いた。それは瞬間瞬間を大切に、小さなことには囚われず、人とのつながりを大切にする現地の人々との触れあいがあったからだ。 

「メキシコ人って、みんなハッピーなんですよ。大変だったけど、すごく充電された感じはあります。なんか心臓が少し大きくなった感じ。キャパが広がるっていうんですかね、許容範囲が広がるっていうか。『死ななければいいんじゃない?』ってスタンスでいたら、大体のことは許せますね。 

 今までにない1か月でいろいろ経験したなって感じですね。経験して、キツかったなって(笑)。あとあと考えると、すごくいい時間だったなって思うんですけど、やってる最中はマジきつかった。それでも、他人を思うこと。それを知れたという部分で、自分は少し変わったのかなと思います。野球も勉強になりましたけど、そこが一番勉強になりました。僕、伝えるのが下手なんですけど、送り出してくれたチームのためにも、こういうことを還元していきたいなって思います」 

 2018年。プレーではもちろん、人間としても成長した乙坂が、チームにどんな影響を与えるのかにも注目したい。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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