西武ドラ3右腕“強気発言”の裏側 指名漏れで気づいた「足りないこと」

生まれた「勢い」、「これは譲れないなと」

 それから伊藤は「絶対に1年で追いつく」という強い気持ちを持つようになった。そのためには、チームの中心で投げ、誰よりも勝たなくてはいけないと考えた。

「NPBに行くために独立リーグに来たのに、自分がエースにならないでどうするんだ」

 その思いが、先輩たちの前での強気な発言につながった。

「みんな歳は自分より上なんですが、これは譲れないなと。そこは勢いでした」。恥ずかしそうにそう話しながら、伊藤は笑みを浮かべた。

 それからは「自分で考えるようになった」と話す伊藤。自身の投球フォームを携帯の動画で見て徹底的に研究し、それまで140キロ前後だった球速を10キロアップさせた。さらに、高校まではチームメートとも必要最低限のことしか話さなかったが、捕手とも積極的にコミュニケーションを取るようになった。

「西武のドラ3は今年で終わりだと言われないように」―

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