鷹5球団競合ドラ1右腕が念願の1軍デビュー 「ファンの人に信頼される投手に」

ソフトバンク・田中正義【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・田中正義【写真:藤浦一都】

2016年ドラフトで5球団が競合しソフトバンクに入団した田中正義

 大歓声を浴びた。プロ2年目でようやく立った1軍のマウンド。本拠地ヤフオクドームに名前がコールされると、その姿を待ち望んでいたファンが沸いた。大きな拍手に背中を押され、マウンドに向かう。「自分の名前が呼ばれて大きな歓声が上がって、何とかファンの人に信頼される投手になりたいなと思いましたね」。2016年のドラフトで5球団が競合した男が、ようやくこの時を迎えた。

 ソフトバンクの2016年ドラフト1位・田中正義投手。4月1日に本拠地で行われた開幕3戦目のオリックス戦、チームが10点の大量リードを奪った9回にその時はやってきた。「あまりオープン戦と変わらずに入ることが出来ました。あの点差でしたし」。それほど緊張感なく上がれた初の1軍マウンドは、明と暗がハッキリと現れるものとなった。

 先頭の宗を2ボール2ストライクと追い込むと、最後は152キロの真っ直ぐで見逃し三振に斬って取り、まずはプロ入り初のアウトを三振で奪った。大城に対しての4球目にも152キロをマークし、最後は148キロで右飛に打ち取り、2アウトとした。

 ここで、プロの洗礼を味わうことになる。迎えたのはオリックスの主軸の1人である吉田正尚。その初球には、この日最速の153キロを記録した。ボールを挟み、1ボール1ストライクからの3球目。外角へ投じた真っ直ぐは吉田正に捉えられた。高々と舞い上がった打球は、左翼ホームランテラス席へ飛び込むソロ本塁打。プロ初被弾、初失点を喫した。続くロメロは二ゴロに打ち取り、勝ちゲームを締めくくった。

簡単に2死を奪ったが吉田正に153キロの直球を打ち返された

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