LA名物コラムニストが見る大谷翔平 「謙虚さとリスペクトが存在する」スター
大谷はなぜ「カーショータイプ」のスーパースターになるのか
「ロサンゼルスの人々はスーパースターを愛している。オオタニに関してはタレントという部分でスーパースターになる素養に疑いの余地はない。だが、パーソナリティという点では時間がかかりそうだ。マジックやコービーのような言動や、個性という点では派手派手しさを彼は見せない。謙虚さとリスペクトが存在する。彼は自分の能力を見せつけたい人間ではない。これまでのところエゴの大きさも見せていない」
ディポリート記者がロサンゼルスを代表するスーパースターに挙げたのは、NBAロサンゼルス・レイカーズの2人のレジェンドだった。マジック・ジョンソンは1980年に華麗なパスプレーで「ショータイム」と呼ばれたオフェンスを操った。MVPに3度輝き、現役引退後はドジャースの共同オーナー、レイカーズの球団社長も務めている。一方、コービー・ブライアントはNBAファイナル優勝5度を誇る英雄。様々なNBA記録を保有しており、どちらもレイカーズ一筋の生え抜きだった。
ロサンゼルスの人々が愛したコービーやマジックは、プレーに加えて個性豊かな言動も特徴だったが、謙虚な大谷とは対照的だという。
「コービーには最高の存在になりたいという強烈な推進力があった。その点ではオオタニと類似点もある。現在のスーパースターと比較できるとするなら、カーショーだろう。エゴを出さない。ファンにも自分の思いをさらけ出すようなこともあまりしないタイプだ。その代わり、フィールド上での活躍で自分を証明する。オオタニがスーパースターになれるとすれば、カーショータイプだろう」
ディポリート氏はこう分析した。メジャー11年目のメジャー最強投手、ドジャースのクレイトン・カーショー投手が大谷の未来のスター像と重なるというのだ。カーショーはMVP1度、サイ・ヤング賞3度などの実績から、30歳にしてすでに引退後の米国野球殿堂入りが確実視されている。かつての同僚、黒田博樹投手を尊敬する物静かな最強左腕こそが、スーパースター大谷の歩む道ではないか、とベテラン記者は分析している。
大谷はマウンドで、打席で、雄弁に語る――。コービーやマジックといったレイカーズが世界に誇るスーパースターとは異なるスター街道をロサンゼルスで駆け抜けるのだろうか。
(Full-Count編集部)