2008年のチームと共通点? 快進撃を続ける西武の強さは本物か

チームの主将・栗山は当時を振り返り「チームの雰囲気も本当に良かった」

 同年8勝を挙げた西口文也投手コーチは振り返る。「確かに強かった。でも勢いというのはそこまで感じなかった。いつもと同じというか。プレーオフの勝ち上がりがああだったから、周囲の人たちにも言われましたけどね。でもあの時のチーム内はいつも変わらなかった。あのチームは勝っても負けても変わらずに元気があったしね」

「僕自身は現役を通じて東京ドームって好きじゃないんですよ。勝てなかったので苦手だった。なんでかわかんないんですけどね(苦笑)。だから現役時代、登板間隔を無理に中4日にしてもらって東京ドームを避けたこともありましたもん」

 08年当時からの主力選手、栗山は「やっていてあの年は楽しかった。みんな若かったし優勝したこともなかったから、とにかく懸命だったんじゃないかな。1試合ずつしっかりやることはやっていた。結果が出たのもあったけど、チームの雰囲気も本当に良かったと思う」

 栗山は08年167本でリーグ最多安打を記録。打率も.317でベストナインも獲得するなど、文字通り西武の顔に成長した。

 チームを率いたのは就任1年目の渡辺久信氏シニアディレクター(以下SD)。3度の最多勝を獲得した西武のレジェンドにも話を聞いた。

「正直、監督1年目だから必死だったのもある。でもあのプレーオフはうちのプラン通りに行った。うちが勝つにはあの形しかないので、それをどうやって徹底させるかだった。失点をできるだけ抑えて、少ないチャンスをなんとかものにする。ヤス(片岡)のギャンブルスタートもその中の1つ。流れも運も良かった。

 とくに日本シリーズなんてそう。だって当時の巨人は韓国の至宝イ・スンヨプや高橋由伸(現巨人監督)が代打で控えているんだから。戦力だけ見ればどうやっても勝てない。でもそれでも勝てるのが野球だから。現場、フロントみんなが意思を統一してプラン通りにできた。そういう意味でも格別な気分だった」

若い力で頂点まで駆け上がったライオンズブルーの戦士たち

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