簡単なようで難しい、高い打撃技術を誇る巧打者の証 パ・リーグ犠飛王は?

ランキング上位常連はチャンスに強い好打者たち

 2016年の「犠飛王」をはじめ、2位タイと3位タイにもそれぞれ1度ずつ入っているソフトバンクの内川はさすがだ。外野フライがほしい場面でその高い打撃技術が存分に生かされているようで、長期離脱を強いられた昨シーズン以外の4年間全てでトップ10入りを果たすという安定感を誇っている。

 また、2015年にその内川をかわしてランキングのトップに立ったチームメイトの松田も、昨季以外の4シーズン全てでトップ10入りし、持ち前のパワーと勝負強さを証明している。そして、日本ハムの主砲・中田も故障離脱した2013年以外はトップ10入り。2度の打点王に輝いた理由の一端を示している。

 ただ、ここ5年の間で複数回にわたってリーグトップの犠飛を記録した選手は1人だけ。その選手とは、2014年と2017年に2度の「犠飛王」に輝いている西武の栗山だ。昨季は116試合の出場にとどまり、規定打席にも到達できなかったが、リーグトップタイとなる7本の犠飛を放った。年間での本塁打数は12本が最多と決して長距離砲タイプではないが、そのずば抜けた選球眼と打撃センスは、チャンスの局面においてより生かされていると言えそうだ。

 ランキングから分かる通り、犠飛はリーグ最多でも10個を下回るケースが多い。この数字からも、犠飛を打つことがいかに難しいかが読み取れるだろう。しかし、栗山や内川のようにほぼ毎年安定して多くの犠飛を成功させ、貴重な得点をもたらす打撃職人たちもまた存在しているのだ。「最低でも外野フライ」という場面で、確実に最低限以上の仕事をやってのける男たちの活躍に、今季も大いに期待したい。

【動画】高度な技術を要する「最低限の仕事」 西武・栗山巧が類稀な打撃センスで犠飛を打ちランナーを還す!

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