大谷の靭帯損傷、米メディアはスプリット多投を指摘も…エ軍GMは影響否定
スプリットの投げ過ぎは? GMは否定「統計的有意性はない」
大谷の負傷の要因についても、米メディアではあらゆる可能性が指摘されている。「ジ・アスレチック」では、「球種」について「興味深い」と言及。「オオタニは今季最高100マイル(約161キロ)以上、平均96.8マイル(約155.8キロ)の直球を投げるほか、スプリットを22.9%投げている。彼の肘の安全面を考えると、眉をひそめざるをえない。一部ではスプリットは他の球種よりも肘に負担をかけると考えられている」と伝えている。
実際に、肘に負担がかかるとされているスプリットの多投が理由なのか。これについては、「エプラーGMは、オオタニが最も得意とするスプリットを頻繁に投げていることは、トミー・ジョン手術の専門家であり、ここ10年間アメリカスポーツ医学研究所で研究しているグレン・フレイシグ氏と検討したことから、懸念していないと語った」とも指摘。エプラーGMが「フレイシグ氏は研究により、スプリットを投げることに統計的有意性はないことを示した」と話したことも紹介している。
そして、最も注目されるのが、二刀流としての今後だ。まずは、今季は大事をとって投げないとなっても、打者として出場を続ける可能性はあるのか。そして、二刀流を続けることに今回の負傷で支障は出ないのか――。
特集では、大谷が「二刀流というユニークな選手」だとした上で「理論上は指名打者として、今季の残り、もしくはエンゼルスが最終的に手術をすると決めるまで、チームにとってベストとなるように、復帰予定を先送りし、打者としてのみ出場させることも可能である」と言及。レッズのチームドクターであるティム・クレムチェク氏は同メディアの取材に対して、「トミー・ジョン手術の後は、通常すぐに打ち始めることができる。トミー・ジョン手術が必要で、靭帯を痛めていても、打つことはできる。守備と投げることはできない。中には、打つ時に痛みが生じて打てない選手もいる。しかし、概してほとんどの選手が打つことができる」と話したという。大谷はDHであり、守備で送球することもないため、トミー・ジョン手術を受けなければ今季中に打者として復帰することは十分に可能なようだ。
もっとも、エプラーGMは、もしエンゼルスが大谷をDHとしてのみ考えれば、打つことができるものの、そうした仮定は考えたくないし、二刀流の挑戦を台無しにしたくない、とも説明したという。あくまで二刀流として、大谷の能力を開花させることを望んでおり、チームとしても投打両方の力を必要としていることが伝わってくる。
メジャー移籍後初めての試練。二刀流右腕はいつ、どのような形で戻ってくるのだろうか。
(Full-Count編集部)