楽天・梨田監督辞任 昨年後半の失速を改善できなかった編成・補強にも問題?

福山、ハーマン、松井の「勝利の方程式」も崩壊

 それ以上に深刻なのが救援投手陣だ。昨年は、ソフトバンクのサファテと中盤までセーブ数で競り合った松井裕樹、7月11日まで防御率0.00だった福山博之、ハーマンなど、優秀な救援陣が揃い「勝利の方程式」ができていた。しかし、今季はそれが崩壊した。

〇2017年
松井裕樹 33S 5H 防御率1.20
ハーマン 1S 33H 防御率2.72
福山博之 7S 23H 防御率1.06
高梨雄平 0S14H 防御率1.03
森原康平 0S13H 防御率4.81

〇2018年
ハーマン 5S 8H 防御率1.64
松井裕樹 2S 5H 防御率5.01
高梨雄平 1S4H 防御率4.08
池田隆英 0S 4H 防御率5.91
宋家豪 0S3H 防御率1.69
福山博之 0S 3H 防御率6.88

 辛うじてハーマンが救援陣を支えているが、松井、福山ともに大きく成績を落としている。

 昨年8月以降の楽天の失速は、松井裕樹の戦線離脱によるところが大きかった。貢献度は極めて高いが、すでに昨年後半から登板過多による不安があった。しかしチームは有効な補強をすることができず、不安を抱えたままで開幕を迎え、低空飛行を続けたのだ。

 梨田前監督の采配に問題がなかったとは言えないが、楽天の今年の低迷は、チーム編成、補強に大きな原因があると言えよう。

 チームは若い平石洋介監督代行が引き継いだが、今季の成績というより、来季以降の立て直しを視野に入れて、再建を目指すべきだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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