MLB通ドラマー、オカモト“MOBY”タクヤの記者体験リポート(パドレス編)
ブレーブスのワシントン三塁コーチに直撃取材!
16時を過ぎ、相変わらずクラブハウスは選手もまばら……。と、1人ポツンと座っている選手を発見。おお、前々日(6月2日)にメジャー昇格し、いきなり1回を3者連続三振で抑えるという鮮烈なデビューを果たしたホセ・カスティーヨがいる! ベネズエラ出身の22歳、まだ英語もたどたどしいだろうけど、ボクの英語力ならちょうどどっこいどっこいだろう、当たって砕けろ! ということで取材を敢行。すぐに通訳の方が来てくれたのですが、彼は英語で対応してくれました。「メジャーでデビューできたこと、そしていい結果を残せたことは本当に嬉しかった。パドレスの選手やスタッフはボクにとって大きな家族のような感じで、みんなが祝福してくれたよ!」「ボクの家族や友達にも連絡したら、みんな見てくれて、同じく祝福してくれた!」と屈託のない笑顔で話してくれました。「得意のスライダーを武器に、できれば将来はクローザーとして活躍したい」とあどけなさが残る口調ながら、みなぎる自信を感じ取ることができました。6日には初勝利も挙げたとのこと。応援したくなる選手がまた1人増えました。
16時15分、フィールドレベルに移動。ダグ・ボットラー・プルペンコーチが打撃投手を務め、選手たちはバッティング練習に勤しんでいます。メジャーの打撃投手はコーチ陣が務め、時には監督自ら投げることもあるとのこと。投手コーチやブルペンコーチはもちろん元投手の方々が多いでしょうから、確かにいい球を投げるでしょうし、何だか非常に効率がいいなぁ、と思いました。
16時25分、ダグアウトでアンディ・グリーン監督(元日本ハム)の囲み会見スタート。ビジョンではちょうどドラフト会議でのパドレス1巡目の指名が映し出され、それを見ながらの会見となりました。
その後で、今度は対戦相手のアトランタ・ブレーブスのダグアウトに向かい、ロン・ワシントン三塁コーチとご挨拶。そうです、2007年から8年間、テキサス・レンジャースの監督としてワールドシリーズに2回も進出した、あの名伯楽。昨年からブレーブスの三塁コーチに就任されました。今回同行している記者さんが事前に僕のことを話していただいていたそうで(髪型含め)、快く取材に応じてくれました。
たどたどしい英語でお話を伺いはじめると「まずはリラックスが大事だ、ブラザー!」とのお言葉。「試合では三塁コーチを務めているけど、走塁に関しては一塁コーチのエリック・ヤングに任せている。彼は走塁のスペシャリストだ」「試合中のランナーへの指示はあまり出していない。ランナーたちの直感に任せているんだよ」とのことでした。
ワシントン三塁コーチが最も力を入れているのは内野守備だそうです。「二塁のオジー・アルビーズは21歳、遊撃のダンスビー・スワンソンは24歳、そして三塁のヨハン・カマルゴも24歳と非常に若い。彼らには視野を広く持つことの大切さを教えている。野球は様々なプレーの連続だから、単に横に動くだけだと足が止まってしまうので、次のプレーにスムーズに動けない。だから、打球に対して斜めからアングル(角度)をつけて捕球することの大事さを伝えている。そうすれば足が止まってしまうことは絶対にない。そして彼らは本当に上手くなっているよ!」とのこと。さらに「全てのプレーはプロセス(過程)であり、内野手はまずはボールを取ることが一番大事。捕球を終えたらボールを手に握り、そして左足に体重を乗せて送球する。このどれかを疎かにしてもミスが起こるんだ」との格言をいただきました。
その成長著しい内野陣の送球を受けるファーストを守るのは、チームリーダー的存在のフレディ・フリーマン。「ファーストの守備は内野守備の中で一番大事だね。ファーストの守備のレベルが低いと、他の内野陣はナーバスになってしまう。フレディはキャッチングが上手いから、若手の内野陣も“フレディが何とかしてくれる”と思い切ってプレーができている。それがチームの好調にも繋がっているよ」「誰か1人が目立つチームは良くない。1人で他の24人を牽引することは難しい。野球はチーム全員でするものだ。そういうチームが強くなっていく」と話してくれました。
そして「君、この仕事(記者)を本格的にやった方がいいよ!」とのお言葉までいただいてしまいました……。あのロン・ワシントンに……。そして「もっとリラックスして、やっていることに自信を持ちなさい」とも。英語をもっと勉強しなければ、と、またもや心に誓いましたよね。最後に音楽の質問をしてみました。もし今、代打で自分がバッターボックスに立つとしたら、どの曲をBGMに選びますか?と伺ったところ、「Let’s Get It On!! Marvin Gaye!!」と即答! うおー、素晴らしいセレクト……男が男に惚れた瞬間でした……。