「克服しなければエースになれない」―抹消の西武今井に辻監督が期待するもの

登録抹消を決断した辻監督「本人にもモヤモヤしたものがあると思うので」

「ボール自体は悪くなかったのですが、四死球を多く出してしまい、打者と勝負することができなかった。早い回でマウンドを降りることになり、申し訳ない気持ちです」と今井。「当初は考えていなかったが、本人にもモヤモヤしたものがあると思うので」。辻監督は試合後、いったん1軍登録を抹消することに決めた。

 初登板では、落ち着き払った投球で初勝利を飾ったものの、2戦目以降、本塁打を打たれての3連続KOに「まだ20歳の人間がこれだけホームランを打たれて、怖さが出るのは当たり前。それを克服していかなければエースにはなれない」と、指揮官は“未来のエース”が自らの力で這い上がってくれることを望んだ。

 その思いに応えるように「しっかりストライクゾーンで勝負できるように一からやり直したい」という今井を、80年代の黄金時代を支えたエース・渡辺久信シニアディレクターは「次だ!」と激励した。

「ボールはいい」と指揮官も土肥コーチも能力の高さを認めている。偉大な先人たちも通過してきた道のりを歩み始めた2016年夏の甲子園優勝投手が、悔しさを糧に自らの力で這い上がり、また大きくなった姿で1軍のマウンドに帰ってくることに期待したい。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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