止まらない快進撃で勝率.917 ロッテ・ボルシンガーが勝ち続ける5つの理由
本拠地ZOZOマリンとも好相性、ロッテの球団自体との相性も良かった?
(5)本拠地との相性の良さ
ZOZOマリンスタジアムは海風の影響で本塁打が出にくい球場として知られ、その強風はしばしば投球にも大きな影響を与える。様々な面で独特なこの球場への対応に苦慮する投手も少なくない中で、ボルシンガーは来日初年度からこの難しい環境に瞬く間に適応し、海風を完全に自らの味方につけている。
本拠地でこれまで登板した6試合すべてで勝利を飾り、40回1/3で失点はわずかに8。防御率1.79という抜群の相性を見せており、前半戦が終わった時点で今なおホームでは「全勝」と「無敗」を継続中だ。7試合で5勝1敗、防御率2.51というビジターでの成績も十分に素晴らしいものだが、ホームゲームでの支配的な投球内容がここまでの好調に寄与するところは少なくないだろう。
以上のように、対応が難しい持ち球を巧みに操って凡打の山を築くボルシンガー自身の確かな実力に加え、相性に優れた田村や本拠地球場の存在も含め、ロッテという球団自体がボルシンガーに合っていた面も少なからずありそうだ。
この他、オリックスのアンドリュー・アルバース投手や日本ハムのニック・マルティネス投手のように、今季のパ・リーグではMLBで先発ローテーションに入った実績を持つ投手が日本球界にすぐさま適応し、期待通りの好成績を収めるケースが多くなっている。
現在ハーラーダービーのトップに立ち、勝率は驚異の.917という数字を誇るボルシンガーは並み居るライバルたちとのデッドヒートを制し、来日1年目で見事にタイトルを獲得できるか。月間MVPの受賞会見で「前半戦はしっかりとした投球ができましたので、後半戦はその調子を崩さず良いピッチングをしていきたいと思います」と語った頼れる助っ人右腕が、残るシーズンでどのようなピッチングを披露してくれるかに注目だ。