今季・大谷翔平がすべきこととは…“ミスターエンゼル”が打者専念の提言
投手として投げられない=野手として出場チャンス、とポジティブに
サーモン氏はこう分析していた。160キロに迫る剛速球や、手元で急激に変化するツーシームを投げ込んでくるメジャー左腕への経験値を積むことこそ、大谷の今後にとって不可欠だというのだ。
そして、大谷とエンゼルスは、この後半戦を左腕攻略のために最大活用すべきだと提言している。
「現時点で、投手として今すぐにローテーションの一角で活躍できる状況にはない。だからこそ、なるべく多くの打席に立って対左腕の経験を積む。そして、対策を見出せるようにするしかない。現在、左投手相手だとボールとバットの軌道にずれが生まれている。そして、焦りやストレスも見てとれる。何かしかければいけない、打たなければいけないという責任感も、左腕相手の打席から強く感じられる。次に左腕と対戦する時は、打席でリラックスできる状況になってほしい」
「ミスターエンゼル」と呼ばれた男の言葉には、重い響きが込められていた。投手・大谷はキャッチボールをすでに再開。試合前に水原一平通訳相手に、平地ながらセットポジションから1球1球丁寧に投じるなど、実戦復帰のイメージを高めている。
「メジャーで打者として活躍するためには数多くの学ぶべきことがある。毎日ラインナップに打者として入る。それは個人的なアイデアだが、千載一遇のチャンスでもあると思う。なぜなら、来年投手として完全復活してしまえば、打席に立つ回数は減ってしまうからだ。1週間単位で見れば、打者として活躍できるのは3、4日で、登板日とその前後の3日はランナップを外れる。投げられない状況だからこそ、毎日ラインナップに入ることができる。これを学習の機会と捉えれば素晴らしい時期になるだろう。確かにマウンドに立つことを考えると、彼にとっては“失われた時間”になるかもしれない。それをポジティブに転換すればいい。オオタニ、打席に立つんだ!」
サーモン氏は、二刀流スーパースターに対して今季後半戦の打者専念論を一貫して主張した。来季のさらなる躍進に向けて起爆剤にすべしと期待を込めていた。
(Full-Count編集部)