「すごく近くなっている」メジャーへの距離 ヤンキース6年目、加藤豪将の今
ユーティリティープレーヤーとして活躍も「最終的にはメジャーのセカンドに」
トレントンではここまで94試合に出場し、打率.246、5本塁打、31打点。元々、打率に対して出塁率が高い選手だが、今季も.339をマークしている。クリーンアップを任される試合が多く、打線に欠かせない存在だが、当然、打撃成績は納得できるものではない。
「もちろん上げていきたいです。(2Aに初めて昇格して)やっぱりアジャストメントの時間があるので。自分がピッチャーに対してアジャストメントをすると、相手もそれを見てアジャストしてくる。シーズンは長いので、波はあるんですけど、2Aにくると、アジャストメントの時間がかなり早くないとスランプが長くなってしまう。それがよく分かりました。
オールスターブレークが終わって、セカンドハーフが始まった。けっこう大事な時なので、すごく楽しみです。まだシーズンは長い。マイナーでは、最後がよければ来年につながる、と言われています。本当に大事な時になってきています」
一般的に、マイナー組織は1Aと2Aのレベルの差が最も大きいと言われている。2Aと3Aの差はそれほどではないとされ、2Aから一気にメジャー昇格を果たす若手もいる。逆に、メジャーから2Aに降格するというケースもある。つまり、ここで結果を残せれば、最後のステップも見えてくる。
「(ピッチャーは1Aと比べて)ファストボールのスピードとかはあまり変わらないんですけど、コントロールがかなり良くて、バッターが有利なときでもスライダーだったり、チェンジアップだったり、カーブを投げるというのが多くなっていますね」
対峙する投手のレベルは確実に上がっているだけに、そこにどう対応していくのか。まさに後半戦が勝負となる。
一方、守備では内野の全ポジションを守るなどユーティリティープレーヤーとしての立場を確立。だが、これはあくまでステップの1つだと本人は考えている。
「ヤンキースが自分のアスレティシズムをできるだけ使いたいという感じで、いろんなポジションをプレーさせています。いろんなポジションでプレーできればメジャーに入りやすいとも言われてるんですけど、最終的には自分はセカンドをやりたい。メジャーに行くにはいろんなポジションをプレーして、できるだけ打席に立てるのがいいんですけど、最終的にはメジャーのセカンドのオールスターになりたいです」
元々、俊敏な動きを活かした守備に対する評価は高いだけに、本職のセカンドへのこだわりは強い。ヤンキースでは今季、超有望株とされてきたグレイバー・トーレスがセカンドのポジションを確保。エンゼルスの大谷翔平投手を抑えて新人王の最有力候補という高い評価を手にしている。2Aまで昇格してきた加藤にとっては、大いに意識しなくてはならない相手だろう。