トレードはビジネスだけにあらず? 病床の母のため…人情味溢れる移籍劇も
病身の母の住む地元チームにトレードされたビスコッティ
まずは2017年シーズンのオフにセントルイス・カーディナルズからオークランド・アスレチックスにトレードされたスティーブン・ピスコッティの話だ。カーディナルズが新たに外野手を獲得することも公になり、その事が影響したことが予測されるが、溢れた外野陣のうちの一人だったピスコッティのトレードを敢行したのだ。
そのトレード相手はオークランド・アスレチックス。実はピスコッティの母親はアルツハイマーを患い、母が住むサンフランシスコ近辺の場所に近いオークランドに移籍させる事で合意した。できるだけ多くの時間を母と一緒に過ごしたいという選手の思いを叶える形で両チームが移籍を実現させた。
残念ながらピスコッティの母は5月に亡くなってしまったが、ピスコッティはトレードが決定し母親の近くにいられる事を“プライスレス”と表現した。その思いは、一見ビジネスと思われるメジャーリーグのトレード市場でも人間味溢れる利益以上の付加価値が生み出された。