元メジャー右腕が金足農・吉田を絶賛も… 3戦150球超えに「心配ですね」
「3試合すべてで150球以上を投げているのは気になります」
左打者の足元に切れ込むスライダーも威力十分だが、藪氏が注目するのは「落ちる変化球」だ。「チェンジアップなのかフォークなのか。打者の左右関係なく投げられる、あの落ちる球を有効に使えていますね」と高評価。だが、同時に3試合連続で投球数が150球を超えたことには、元投手という立場からも「心配ですね」と懸念を示す。
「今日は164球ですか。164球はないですよね(苦笑)。投手が1枚しかいないんでしょうが、3試合すべてで150球以上を投げているのは気になります。あの下半身の使い方だったら、上半身や腕だけの投げ方ではないので、見た目以上にダメージは少ないかもしれない。それでも、やっぱり肩肘に投げただけの負荷は掛かりますし、何よりもトーナメント方式だとリカバリーの時間がない。これで準々決勝は明日でしょ。第4試合だということが唯一の救いですが、やはり球数は心配ですね」
敗れた横浜は、同点で迎えた6回に1点を勝ち越すと、7回にも3連打で1点を追加。「ここで投手を及川(雅貴)君に代えるのかと思いました」と藪氏は言うが、横浜の平田監督は先発・板川佳矢を最後まで投げさせた。8回表、1死三塁の場面で途中出場の小泉龍之介がスクイズを仕掛けるも失敗。打ち直しは遊ゴロとなり、追加点を奪えなかった。「あそこはもう一度スクイズで攻めても良かったかもしれませんね。もう1点取れていたら、横浜勝利で終わっていたと思います」と振り返る。
1995年以来23年ぶりのベスト8進出を決めた金足農は、準々決勝・第4試合で近江(滋賀)と対戦する。強打を誇る近江だが、藪氏は「投手戦になるかもしれません」と見る。
「金足農はもちろん吉田君が先発するでしょう。近江の背番号18、左腕・林(優樹)君もいいピッチャーですよ。常葉大菊川戦で最後に投げた背番号1の金城(登耶)君も同じく左腕で、3失点はしましたが決して悪くないピッチャーです。強打を誇る近江が吉田君をどう攻めるか。バントを絡めて攻撃する金足農が、近江の左腕コンビをどう食らいつくか。これはいい試合になりそうですね」
悲願の優勝まで、あと3勝。甲子園がいよいよ大詰めとなってきた。
(Full-Count編集部)