子供が伸び伸びと― DeNA筒香、西武森を輩出した堺ビッグボーイズの“魅力”
「堺ビッグボーイズ」小学部で指導する佐野誓耶氏、若手指導者が振り返るコーチ就任までの経緯
DeNAの筒香嘉智外野手、西武の森友哉捕手が中学時代にプレーした野球チーム「堺ビッグボーイズ」。その小学部で、溌溂とした声で選手を指導している若手コーチがいる。佐野誓耶氏だ。元プロ野球選手を父に持ち、横浜高校では筒香の同級生、自身も大学野球、独立リーグでプレーした。その佐野氏が、関西で少年野球のコーチになるまでの経緯を聞いた。
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「僕の父は佐野元国といい、横浜高校から近鉄、巨人で捕手としてプレーしました。僕も小学校から野球を始め、横浜高校に進みました。ポジションは左投手です。体は大きくありませんでしたが、高校ではバッティング投手をずっと務めていました。卒業後は明治学院大に進みました。一時期野手もしましたが、やはり投手が好きだったので続けました。卒業後は独立リーグの愛媛マンダリンパイレーツ、石川ミリオンスターズでプレーしました。やれるところまで野球をやろうという気持ちでした。
引退後、指導者を目指して、アメリカの大学にコーチとしての勉強をしに行きました。アメリカで指導者が選手に接するのを見ていると『日本の野球は選手のいろいろな芽を摘んでいるのではないか』という疑問を抱くようになりました。
帰国後、父が運営する野球塾を手伝ったり、他の仕事もしたりしたのですが、ちょうどその頃、高校の同級生だった筒香君がドミニカ共和国のウィンターリーグから帰ってきて電話をくれました。筒香君は『ドミニカ共和国の野球はすごい。実際に見ないとわからない』と言いました。そこで筒香君を案内した堺ビッグボーイズの阪長友仁さんの紹介で現地で野球を視察しました。
ドミニカ共和国の野球も、また日本とは大きく違うものでした。こういうものを日本でもできないのかな、と思って筒香君に電話したら『堺ビッグボーイズ行ってみなよ』と言われたので、堺に行ってみました。瀬野竜之介代表とも相談をした結果、関東でやっていた仕事を全部辞めて、こちらにコーチとして勤めることにしました」。