打者は柳田、投手は二木…セイバー目線で選出する8月パ月間MVP
柳田に“熱男”松田が肉薄するも…
○8月月間MVP パ・リーグ打者部門
柳田悠岐(ソフトバンク)
OPS 1.221 wOBA 0.505 RC27 11.67 出塁率.495(すべてリーグ1位)
打率.342 長打率.726(リーグ2位)
候補選手は7名ですが、この中に柳田の名前は挙がっていません。それもそのはず。候補発表時の柳田の成績は、打率.286、2本塁打、OPS.966でしたが、発表以降に打率.419、5本塁打、OPS1.571と打棒が爆発し、月間MVP候補に遜色ない成績となりました。では、月間MVPの有力候補の成績をみてみましょう。
松田宣浩(ソフトバンク)
打率.371 安打数33 本塁打8 得点圏打率.409 打点21
中村剛也(西武)
打率.319 安打数29 本塁打12 得点圏打率.278 打点26
柳田悠岐(ソフトバンク)
打率.342 安打数25 本塁打7 得点圏打率.412 打点21
7月まで打率.228と打率ランキング下位に低迷していた松田が、8月に入り日本列島を襲う酷暑を味方につけるかのごとく「熱男」としての本領を発揮。ソフトバンク8月攻勢の原動力となりました。打率、安打数、得点圏打率が1位であること、チームが月間首位であることを鑑みて、公式の月間MVPの最有力候補と言えるでしょう。
中村剛也も7月まで打率.199と大不振だったのですが、自己記録更新となる月間12本塁打を記録するほどの回復を見せ、西武恐怖の下位打線の核となりました。また通算本塁打を380とし、歴代23位の記録となりました。
では、セイバーメトリクスの指標で3者を比較してみましょう。
柳田悠岐
OPS 1.221 出塁率.495 長打率.726 wOBA .505 RC27 11.67 四死球21
松田宣浩
OPS 1.153 出塁率.446 長打率.708 wOBA .486 RC27 11.33 四死球10
中村剛也
OPS 1.164 出塁率.417 長打率.747 wOBA .485 RC27 10.11 四死球16
相変わらず柳田の四死球の多さが目立ちます。それが出塁率の高さに繋がっています。また4盗塁と足での貢献もあり、それがRC27に加算されています。今月はかなりハイレベルなMVP争いになりましたが、主要指標で高評価の多かった柳田を8月月間MVPパ・リーグ打者部門に推挙します。
ちなみに、8月のソフトバンク打線の成績は下記の通りです。
1番 牧原大成 打率.324 OPS.750 本塁打1
2番 今宮健太 打率.296 OPS.908 本塁打5
3番 グラシアル 打率.340 OPS1.002 本塁打4
4番 柳田悠岐 打率.342 OPS1.221 本塁打7
5番 松田宣浩 打率.371 OPS1.153 本塁打8
6番 中村晃 打率.280 OPS.782 本塁打2
7番 長谷川勇也 打率.372 OPS1.161 本塁打4
1番から7番まで切れ目のない強力打線が形成され、得点力増強の要因になっていました。