吉田輝星が得た大きな財産 感じた“仲間との差”と新たな収穫
2種類目のツーシームとフォークを解禁
そのどちらもが試合で効果を発揮した。確かに2試合ともに失点したが、韓国戦では6回2安打、チャイニーズ・タイペイ戦では5回4安打と粘りの投球を見せた。本来の真っ直ぐの威力ではないながら、大崩れすることなく粘れたのは、この2つの新たな武器によるところも大きかった。
「自分のいいところというよりも、足りないところがすごく目立った。その投手のスタイルもあると思うけど、1つのスタイルだけじゃなくて色んなスタイルを身につけてしっかりやれば、調子の悪い時でも違うスタイルを使えば、工夫したりできると思う。そういうものを吸収する能力もまだ足りないと思うので、そういう能力をつけていきたい。もう少し下半身を使ったフォームを心がけて、変化球の精度ももっと上げたい」
具体的に、投手としての課題も掲げていた吉田輝星。秋田県大会、決勝まで戦った甲子園、そして侍ジャパンU-18代表と、激動の2か月間を過ごしてきた。慣れない環境に身を置き、最後に語った「普通の日常に戻りたい。金足農のチームメイトに会って話したい」との言葉が本音だろう。30日からは福井国体が始まる。まずは、地元・秋田の空気に触れ、その体をゆっくりと労ってほしいものだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)