元プロの指導法を教員に伝授 小中学校に定着しつつある野球の存在
実際に講師陣が小学生に教える「模擬授業」も導入
この研究会の大きな特色は、教員への実技指導の前に、実際に小学生(3年生から6年生を対象)に対して、講師陣が「ベースボール型授業」をやって見せる「模擬指導」を導入していること。
千葉ロッテマリーンズのマリーンズアカデミー・武藤一邦ヘッドコーチは、「これまで、先生方からどういう風に授業を進めていいかわからない、という声をたくさんもらったので、実際に子供たちを教えているところを見てもらった方がいいと考えた」と話す。
午前中は、講師が、子供たちにボール投げ、ゴロキャッチ、ティーバッティング、ミニゲームなど一通りを指導。これを教員たちが見学した。
午後からは6つの班に分かれて、午前中に子供たちが体験した授業内容を実際に教員たちが体験した。
今回は、5つの実技に加えて、「座学」も実施された。スタンドで、千葉ロッテの武藤一邦コーチと、読売ジャイアンツ・ジャイアンツアカデミーの倉俣徹校長が、交互に担当。教員の質問に答えた。
この背景には、「ベースボール型」の体育授業が必修になって7年が経過し、実際に授業をやった経験のある教員が増えていることがある。授業を行う上での疑問点を投げかけたり、アドバイスを求める質問が相次いだ。
NPB野球振興室によると、応募・参加者数はこれまでで最多。教員の反応も年々よくなっているとのこと。NPB野球振興室は、全国各地に出張しての授業研究会も開催している。地道な活動だが、小中学校に「野球」が少しずつ定着しつつある。
(広尾晃 / Koh Hiroo)