中日復活の鍵を握るビシエド&アルモンテ 「強竜打線」復活へ着実に歩む

真面目な練習態度とハングリー精神が日本での成功の鍵

 来日1年目のアルモンテは、メジャー実績こそビシエドほどないが、マイナー時代からプロスペクトとして注目されていた。入団時の評価は3拍子揃った好打の中距離打者。しかし、フタを開けてみるとNPBの並みいる強打者に負けず劣らずの長打力を発揮している。

 中でも7月10日のDeNA戦、7回には右翼場外に飛び出す2点本塁打。新設中の二階席の鉄骨に当たる一発を放った。

「あの打席は自分でも驚くくらいに飛んだね。もともと低めは好きなタイプ。ちょうど腕がしっかり伸びた場所でコンタクトできて、バットに球が乗っかってくれた。飛距離ももちろんだけど、チャンスで打てたのが一番うれしかったね」

 約1か月ぶりの本塁打よりも、同点だった状況からの勝ち越し打を喜んだ。

「中日では長打も出ているけど、もともと長距離打者ではない。右左関係なくしっかり打ち返して、とくに大事な場面で結果を出したい。もちろん、チャンスメークをするのも求められていると思う。だから自分の結果よりも、チームの得点力アップにこだわっていきたい」

 長打という結果が出ても、それに満足することはない。自らのプレースタイルをしっかり把握できているのも、アルモンテの強みである。

 練習態度とハングリー精神。森監督が、外国人選手補強のポイントしているのはこの2つである。加えて「日本野球をナメて下に見ていないこと」をあげている。ビシエドとアルモンテはこの2つの項目にジャストフィットしている。

 ビシエドは、メジャーでの実績もある実力者だが、普段は口数も少ない寡黙なタイプ。練習も1つ1つのメニューをコツコツとこなしている。自らのチェックポイントを持ち合わせ、連日、しっかりと確認作業を怠らない。

「練習時から気をつけているのは、投球に対してバットを水平にしっかり当てるということ。そのためには、手元までしっかり引きつけないといけない。最初の頃はインコースを意識し過ぎて、スイングの始動が早くなっていた。インコースを打ち返すためには、どうしてもポイントを前にしないといけないからね。今はゆったりとした状態から、ボールに対して最短距離で強くコンタクトできている。コースの見極めができるようになったことも大きい」

「僕の打撃練習は見ていてもあまり面白くないかも知れない。手元まで引きつけて、バットに正確に当てる練習だから、打球がスタンドまで届かないこともある。状況によってはバットを球にコンタクトするだけの時もあるから、打球に強さがない時もある。練習からスタンドにポンポン叩き込んでいる本塁打打者の打撃練習の方が面白いと思う。僕は練習でそれをやってしまうと自分の形が壊れてしまう。でも、決して打球が飛ばないわけではないんだよ」

 自らのプレースタイルや癖を、しっかり理解している。だからこそ、等身大で試合に挑むことを大事にしているのだ。

アルモンテに影響を与えたイチローはじめヤンキースの日本人選手

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