32年前は「工藤投手」のサヨナラ打が転機に ホークス、地元で「普段通りに」

第3戦からは地元の大声援を味方に

 ただ、第2戦を勝ったのは、その昔と同様に広島だった。リック・バンデンハーク投手が5回5失点と打ち込まれた。

 試合前、広島の打撃練習。バッティング投手が手作りの木製マウンドから投げていた。彼らは普段、平らなところから投げる。広島の選手に聞くと「以前いた石井(琢朗)コーチの発案で導入したもので、背の高い投手と対戦する試合前の練習では使用している」とのこと。この準備力が広島を強くしたのだと改めて思い知らされた。

 1-5の完敗。前日に死球を受けた内川聖一内野手の欠場も痛かった。工藤監督は「ウチの打線も決して悪くなかったが、相手が上回った」と唇をかんだ。また、デスパイネを左翼に起用するなど攻撃的布陣で臨んだが、守りでは不運な打球も多かった。

 それでも工藤監督は「大竹くんがクライマックスに比べればよくなっているし、グラシアルもいい当たりが正面を突いているだけで悪くない。柳田くんにも(安打が)1本出た。落ち着いてくる。次から楽しみ」と敗戦の中にも収穫があったことを口にした。シーズン終盤に故障した今宮健太内野手が復帰したのも大きい。

 第3戦からは地元ヤフオクドームに戻っての戦いとなる。指名打者制があり、なによりホークスファンの大声援を味方につけて戦うことができる。キャプテンの内川は「声援が力になるというのは選手ならば誰もが知っていること」と話す。

「普段通りの戦いができると思います」と工藤監督。日本シリーズ第3戦の先発はミランダだ。「パーソルCS パ」では不振だったが、パ・リーグでは初対戦のチームはどこも苦戦していた。カープ打線を翻弄できるか、注目だ。

(「パ・リーグ インサイト」田尻耕太郎)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY