大谷翔平を見続けた米解説者が振り返る1年目の衝撃「思い出すだけで鳥肌」
大谷に3三振のアスレチックス・オルソン「ボールが見えなかった…」
しかし、大谷はすぐにそれを理解し、ボール先行のカウントではスプリットやスライダー、カーブを中心に組み立て、逆に変化球を待つカウントでは速球をどんどん投げ込んだ。それも、多彩な球種に加え、どの球でもストライクが取れる自信があってこそ。グビザ氏は「オオタニが試合で投げる球種は確か5種類。その平均球速は、160キロを超えます。私の野球人生でそんな投手は見たことがない。特に先発投手ではね。リリーフなら、1イニングしか投げないから(160キロ超の球速も)あり得るけれど、(大谷は)先発投手として見事ですよ」と絶賛した。
4月8日のアスレチックス戦では本拠のエンゼルスタジアムで初のマウンドに上がり、7回1安打12奪三振の圧倒的なパフォーマンス。グビザ氏によると、この試合で大谷に3三振を奪われたアスレチックスのマット・オルソンは「ボールが見えなかった。球種はまったく分からない」と言ったという。「自分のボールがメジャーで十分通用すると分かったのでしょう。つまり、最初は抑えられるか不安に思っていたが、投げるうちに自分の投げるボールがメジャーでも相当にレベルが高いことが分かり、どうやったらアウトにできるかが分かったんですね」とグビザ氏は分析した。
大谷は、グビザ氏に「僕は決してネガティブになりません」と何度も言っていたという。「『自分にはメジャーでやる力がないかも』と思ってしまうと、自分に対する疑念が生まれる。対してオオタニは、決して自分の能力を疑わない。ピッチングでもバッティングでもね」。4月、5月の大谷は、投げ、打つたびに自信を深め、メジャーリーガーとしての風格を備えていった。
(Full-Count編集部)