三塁打の速さで見るパのスピード王5傑 フレッシュな顔ぶれを抑えた最速王は?
2、3位にはリーグ覇者・西武の快足コンビがランクイン
3位に入ったのは、16年に盗塁王を獲得した金子侑司外野手(西武)。10秒85という好タイムで堂々のランクインだ。
その特徴は、何といっても美しいランニングフォームにある。スマートな体型に長い脚、ストライドの広い華麗な走りは、ロングランでその魅力が一層際立つ。しかも、金子侑の場合、ストライドの広さだけではなく、ピッチも速いのだ。
それは最もトップスピードに乗っている二塁ベース付近の走りを確認すると良くわかる。広い歩幅で、なおかつものすごい回転の速さで疾走。このハイブリットな走法こそが、リーグトップクラスのスピードを生み出している。
とにかく速い。そして、打球が外野の間を抜けた際は常に三塁打を狙っている。それが、10秒71で2位につけた源田壮亮内野手(西武)のプレースタイルだ。
源田の場合、特に目を惹くのは、左中間を抜いた時の三塁打だ。左翼側の打球は、右翼側や中堅後方よりも守備側の送球距離が短いため、多くの選手が最初から無理せず二塁で止まることを前提に走るケースが多い。ところが、源田は左中間の打球に対しても躊躇なく三塁を狙い、そして奪い取る。単に速いだけではなく、自分の走力と相手守備陣のカットプレーの素早さを瞬時に比較できる判断力も優れているのだろう。
今年の西武は、強力打線を全面に押し出してリーグ優勝を勝ち取ったが、2番を打つ源田が単純に走者を進めるだけでなく、こうした攻撃的な走塁をしていたことも見逃せない。
西武打線の破壊力は一発だけにあらず……である。