高い攻撃力で投手陣の脆弱性をカバー…データで今季を振り返る【西武編】
5失点以上しても勝率4割の圧倒的な得点力
圧倒的な得点力で10年ぶりにパ・リーグを制した西武ライオンズ。今年のペナントレースにおける得点と失点の移動平均を使って、チームがペナントレースのどこでどのような波に乗れたかを検証してみます。移動平均とは、大きく変動する時系列データの大まかな傾向を読み取るための統計指標です。
グラフでは9試合ごとの得点と失点の移動平均の推移を折れ線で示し、
得点>失点の期間はレッドゾーン
失点>得点の期間はブルーゾーン
として表しています。
開幕からとにかく打線が機能し、シーズン792得点(1試合平均5.54点)という驚異の得点力で、一度も首位を明け渡すことなくペナントレースを制しました。5月中旬に若干打線の湿りを示す部分も見えますが、それ以外は平均4点のラインを下回ることのないほどの得点力を発揮しています。
それは、5失点以上した試合でも勝率が4割というデータにも現れています。
〇5失点以上した試合の勝率
西武 .400(24-36)
ソフトバンク .226(12-41)
日本ハム .164(9-46)
ロッテ .148(9-52)
楽天 .143(8-48)
オリックス .130(7-47)
他チームに比べ、圧倒的に高い勝率を残しています。
また、3点以上ビハインドの状況からの勝率を見てみましょう。
西武 .255(13-38)
ソフトバンク .128(6-41)
オリックス .093(5-49)
楽天 .088(5-52)
日本ハム .082(4-45)
オリックス .068(4-55)
西武は逆境を跳ね返せる攻撃力があったことを伺わせます。つまり、投手の失点を打線がカバーし、勝利を収めているということです。また、逆転勝ち42回は12球団最多です。