前半と後半でまるで別のチームに…データで今季を振り返る【日本ハム編】
ドラフトで3~5年後の中心選手を補強 あとはレアードの去就次第か
今年のドラフトでは、夏の全国高校野球選手権大会の優勝投手・柿木蓮と準優勝投手・吉田輝星を指名するなど、甲子園で名を馳せた高校生選手の指名が目立ちました。育成上手と定評のあるファイターズに入団することで、3年から5年後の中心選手となることを見据えた育成がなされることでしょう。余談ですが、5位指名の柿木は高校での公式戦では夏の甲子園まで被本塁打0でした。また、今年の夏の甲子園での柿木の空振り奪取率は13.9%で、1位指名の吉田輝星の11.1%を上回っています。
そんな中、日本通運の投手・生田目翼を3位で指名しています。球速は150キロを超えるという速球派右腕で、日本通運で元日本ハムの武田久投手兼任コーチの薫陶を受けています。層の厚い投手陣に補充される即戦力としての期待がかかります。
主力選手の動向ですが、中田翔はFA権を行使せずファイターズに残留することを表明しました。また、今季は怪我の影響で出場試合数は昨年より減少したもののチームトップの26本塁打を放ったレアードですが、報道によれば「ファイターズは残留に向けて交渉中だが、締結に至るまでは長期化する見通し」とのこと。三塁手のwRAAプラス転向のためには、レアードの復調に期待をかけるか、横尾俊健、石井一成の成長に期待するかということになるでしょう。
鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。