接戦に弱く、本拠地東京Dでも負け越し…データで今季を振り返る【巨人編】
大波があった前半戦、後半戦は逆に波に乗れず5割前後を行き来
高橋由伸監督就任3年間で優勝を果たせず2003-2006年以来の4年連続V逸となってしまったジャイアンツ。混沌のクライマックスシリーズ(CS)進出争いをチーム21完投(うち13完封)の力で3位を勝ち取ったり、CSファーストシリーズでは菅野智之のノーヒットノーランで2位ヤクルトに一矢報いたりと、先発投手陣の活躍が光るシーズンでもありました。
そんなジャイアンツのペナントレースにおける得点と失点の移動平均を使って、チームがどの時期にどのような波に乗れたかを検証してみます。移動平均とは大きく変動する時系列データの大まかな傾向を読み取るための統計指標です。
グラフでは9試合ごとの得点と失点の移動平均の推移を折れ線で示し、
得点>失点の期間はレッドゾーン、
失点>得点の期間はブルーゾーン
として表しています。
開幕直後のジャイアンツは好不調の波が大きく変動しているチームでした。6連敗したかと思えば、4月下旬に怒涛の8連勝。8連勝中は2ケタ得点が4試合あり、特に4月25日の中日戦では20-4の大勝。その爪痕が大きなレッドゾーンに表れています。
4月終了時点では、首位広島に2ゲーム差の2位につけていたのですが、その後交流戦前後に5連敗が1回ずつ、交流戦後7連勝したかと思えばすぐに6連敗と首位広島を追撃するには今ひとつ飛び出しきれない状況でした。オールスター戦以降は、得失点がほぼ均衡する薄氷のグラフが象徴するように、大きな連勝連敗もなく、勝率5割ラインを行ったり来たりの戦いぶりでした。
特に接戦で力を発揮できなかったことは、1点差勝負が12勝24敗、延長戦9試合で0勝4敗5分というデータで示されています。また本拠地東京ドームで30勝33敗1分と1997年以来3度目の負け越しを喫してしまいます。
結果的にジャイアンツは3位に入るのですが、優勝争いに加われなかったチーム運営の責任をとる形で高橋由伸監督が辞任することになりました。