引退したいぶし銀のロッテ捕手 「1番思い出に残る」投手8人リードした開幕戦
「気が付いたもん勝ち」の世界だからこそ、コーチとしてできることがある
月日は流れた。2018年シーズン後に金澤は現役を引退し、2軍バッテリーコーチに就任をした。捕手として現役時代に大事にしてきたのは投手とのコミュニケーション。「投手と捕手は18.44メートルの距離を挟んで指のサイン一つで会話をしないといけない。しっかりと理解し合うにはやっぱり日ごろからの会話が大事。だから、ボクは会話を大事にしていた。練習の時もイニングの合間も積極的に話をした」と金澤は振り返る。
だから、コーチに就任してすぐに若い捕手たちを集めると「まずは投手とコミュニケーションをしっかりとっていこう」と話した。そして、会話の大切さはコーチと選手も一緒だ。
「捕手と投手の関係と一緒で、コーチと選手もコミュニケーション。ボクの考えを押し付けることはしたくない。お互い話し合いながら、いいものを作っていきたい。コミュニケーションが一番大事」
会話を繰り返しながら選手の事を理解し、逆に考えを分かってもらう。その中で、もし選手たちに発見があれば嬉しいことだ。
「ほら、この世界って気が付いたもん勝ちじゃないですか。だから自分の思ったことや知っていることを伝えることで、若い選手に気が付いてもらえたら嬉しいですよね」
マリーンズ一筋、プロ16年間で通算177試合に出場。いぶし銀の活躍でチームに尽くしてきた男は、これからコーチとして若い捕手に英才教育を施す。アドバイスを押し付けるのではなく、会話を繰り返すことで気付かせる。プロ野球は気付いたものが勝つ世界。だから、押し付けるのではなく気付かせるのだ。
(マリーンズ球団広報 梶原紀章)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)