日ハム王柏融、背中を押す台湾ファンの熱い声に活躍宣言「美しい思い出を力に」
ファイターズのユニホームでの「初打席」もお披露目
ファンの質問に答えるQ&Aコーナーで、いかにプレッシャーに立ち向かうかを問われた王は「プレッシャーから逃れることはできない。まずは失敗するかどうかについては考えずに、平常心でチャレンジするべきだ」という考えを示した。また、今シーズンの目標については「これまで通り、健康第一だ。コンスタントに試合に出続け、皆にプレーする姿を見てもらいたい」と話した。
そのQ&Aコーナーに続いて、王選手が学生のバッティングピッチャーと「対決」するというセレモニーも行われた。ファンがLamigo時代の応援歌「夢花火」を大声で歌う中、ファイターズの新ユニホームに身を包んだ王が打席へ。「初打席」でライト線へのライナーを放つと、スタンドのファンに向けて笑顔で手を振っていた。
その後のサイン会も含め、イベントは2時間半にも及ぶ長丁場に。しかし、王はファンとの交流を心から楽しみ、終始笑顔を浮かべていた。だが、イベント終了後に報道陣から会場にもなった桃園球場への思い入れや、慣れ親しんだ台湾を離れることについて問われると、寂しそうな表情も浮かべていた。日本ハムに合流するまでの時間は、できる限り家族と過ごしていくとのことだ。
このイベントでは、Lamigo系列の旅行会社によって行われる観戦ツアーについても発表された。同社では、日本ハムの開幕3連戦(3月29日~31日・札幌ドーム)を観戦する5日間のツアーに加え、ラミゴと千葉ロッテマリーンズの交流戦「Power Series 2019 in CHIBA」(3月14日、15日・ZOZOマリンスタジアム)および、翌16日のオープン戦、ロッテ対日本ハム(ZOZOマリン)の計3試合を観戦するツアーも企画している。
なお、パ・リーグ6球団とパシフィックリーグマーケティング株式会社は、FOXスポーツ台湾との間で、台湾におけるパ・リーグ主催試合の放送契約を今シーズンから3年間にわたって締結している。これにより、TVやインターネットを通じて、台湾からでもオープン戦から王の活躍をリアルタイムで視聴できる形となっている。
王は日本での生活で最も不安な点として、コミュニケーションをとる上で必須となる日本語を挙げていた。だが、王の通訳に就任した蕭一傑氏は、高校から日本へ留学してドラフト1位でNPB入りし、セ・パ両リーグ(阪神及びソフトバンク)でプレーした経験の持ち主。同郷(屏東県)出身であることに加え、日台の野球と文化を熟知している蕭氏は、王にとって心強い存在だと言い、すでに様々なアドバイスも受けているそうだ。
王はどちらかというと朴訥な人柄で、派手なパフォーマンスなどは得意ではない。しかし、野球への真摯な姿勢や真っ直ぐな性格は、きっと温かい北海道のファンにも愛されることだろう。王は日本のファンへ向け、「是非プレーに注目してください。そして、ファイターズの応援をお願いします」と語っている。高まる期待の分だけプレッシャーも大きいはずだが、日本、そして台湾のファンからの応援に加え、座右の銘である「プレッシャーを持つ勇気」をもって重圧を乗り越え、活躍を見せてほしいところだ。
(「パ・リーグ インサイト」駒田英)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)