150キロ右腕の星稜・奥川が日本一へ闘志 「今年こそ、勝って記憶に残る試合を」
優勝候補の一角に挙げられるが「追われる立場だと思ったことはありません」
そんな奥川を見て「動きも良くて、ボールの質も高い」と小学校4年からバッテリーを組む山瀬慎之助主将(2年)も太鼓判を押す。山瀬自身は昨秋、右手を負傷して思うようなバッティングが出来なかったが「リードで何とか奥川を助けてあげられたら。そのために自分も成長しないといけないです。甲子園はこれで3度目ですが、春夏連覇という目標に向かって頑張っていきたいです」と気を引き締めた。
奥川は最速150キロのストレートに加え、昨秋は60イニングを投げ82個の三振を奪うなどプロ注目の投手としても注目を浴びる。チームも優勝候補の一角として期待が高いが、奥川をはじめ、チームには浮かれた様子はまったくない。
「追われる立場だと思ったことはありません。自分より上の選手やチームは多いですし、挑戦者という気持ちで戦うことは変わらないです。秋は優勝を目指して戦ってきたのに、最後の最後に悔しい思いをして力不足を実感しました。今年は日本一を目指して戦っていきたいですが、先を見すぎず一戦一戦を全力で戦っていきたいです。勝ちたい気持ちは常に持っていますが、それでもすべて勝てる訳ではないところが勝負の難しさ。甲子園は自分を成長させてくれる素晴らしい場所ですが、去年までの経験を良い方向に持って行けたらいいですね」
昨年の甲子園で勝つことの難しさは経験している。その1勝、あと1勝へ誰よりも強いこだわりを持つエースは、まずは春の頂を見据え歩みを進めていく。
(沢井史 / Fumi Sawai)