広島ドラ6正隨、高校、大学を経て感じた成長 1軍キャンプを掴んだ大砲候補

東出打撃コーチ「これだけ良いスイングが出来る選手は繊細なことが多い」

 中田翔(日本ハム)に憧れて進んだ大阪桐蔭では4番打者として14年夏の甲子園で優勝したことは記憶に新しい。亜大に進むと1年春からリーグ戦に出場し、4年秋のラストシーズンまでの全8季に出場し、3年秋にはベストナインにも輝いている。

 高校時代の正隨選手の印象は寡黙で、どちらかというと表に出るタイプではなかった。夏の甲子園優勝後にレギュラー数人をまじえた座談会風の取材をしたことがあったが、明るい選手が多い中で、進んで発言はほとんどせず、チームメイトの話を笑顔で聞いている方だった。

 だが、大学で着実に実績を積み、自信もついたのだろう。ルーキーでもチームメイトに積極的に話しかけ、同じ新入団で唯一高卒であるドラフト1位の小園海斗とはよく並んで歩いている姿も見受けられた。キャンプ初日には球場内の入り口でばったり記者と出会い「お久しぶりです」と丁寧に挨拶してくれた表情にも、彼の律儀さがにじみ出ていた。

 東出打撃コーチは正隨について「良いスイングをしているけれど、これだけ良いスイングが出来る選手は繊細なことが多い。うまく打とうと思いすぎると崩れてしまう」と本音を語ったが、スケールの大きさは認めている。3日で今春キャンプの第1クールは終わるが、期待値の高いルーキーのこれからの歩みは果たしてどうなっていくのか。背番号「49」の一挙一動に目が離せない。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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