西武VS統一の“日台獅子対決”! 台湾2年目の日本人左腕が語るポイントとは?
「練習にかけている時間が違う」…鍛え上げられた打撃力と積極的走塁
注目選手の最後の1人は、リリーフエースの陳韻文(チェン・ユンウェン)投手だ。2018年11月に日本代表と台湾代表が対戦した壮行試合で9回にマウンドに上ったが、そこで5失点を喫した投手でもある。しかし、知念は23歳の右腕について「本来持っている力はかなりある」と話し、155キロの速球と、共に空振りが取れるフォークと縦方向のスライダーを持ち、2018年オフにはメジャー挑戦も噂されていたほどの逸材だと紹介してくれた。
また、知念は陳以外の注目投手として、先述の壮行試合で揃って台湾代表に選出された江辰晏(ジィァン・チェンイェン)投手、施子謙(シー・ヅゥチェン)投手という2人の先発の名前も挙げてくれた。
知念はチーム全体の打撃力についても高評価しており、「バッティング練習にかけている時間が違います」とその理由を明かした。練習時間のほとんどが打撃練習に費やされており、ウォーミングアップが終わってキャッチボールをしたらすぐに打撃練習に入るとのこと。また、台湾の選手は筋力トレーニング好きでもあり、走り込みよりもそちらに重点が置かれているようだ。その分、守備力に関しては落ちるそうだが、鍛えに鍛えた打撃力には注目だ。
また、走塁面での「日本で言う『暴走』っていうのがオッケーで、チャンスがあればすぐ行く。その分、成功するとどんどん点が入りますし、かなりアグレッシブですね。タッチアウトも多いですが(笑)」という積極性も強く印象に残っているそうだ。
投球面では、シュートやスプリットのように小さく動くツーシームを使う投手が多いという。その動きはあまりに小さく「カメラ越しだとなかなかわからないと思います」とのことだが、今回の交流試合は様々な面で日本とは特色の異なる台湾野球を観察するチャンスにもなりそうだ。
台湾リーグには全部で4つの球団があるが、王柏融の古巣でもあるラミゴはロッテと頻繁に交流試合を行っていることもあってか、ウォーミングアップの方法なども日本のものに近いという。一方、統一は他の2球団と同じく、「ちょうど台湾らしい野球」をしているそうだ。日台の違いの一例として、知念は次のような話を聞かせてくれた。
「疲れていてもたくさん練習して、その自信をプレーにぶつける。下手だから練習して技術を伸ばそうというのが、日本の考えだと思います。一方、台湾では(体調面で)フレッシュな状態で、自分のベストが出る状況を作ろうというイメージがあります。そういう意味では(台湾は)米国的だと思います。特に統一はそうですね」