西武VS統一の“日台獅子対決”! 台湾2年目の日本人左腕が語るポイントとは?

西武だけでなく、統一にも貴重な経験

 興味深い話題としては、阪神でも活躍した林威助(リン・ウェイツゥ)氏が、現在、中信兄弟の2軍監督を務めていることが挙げられる。そのため、中信では2軍の練習は時間も長く日本的だが、1軍の首脳陣はほとんどが米国人であるため、1、2軍では方針が真逆なのだそうだ。それでもチームとしては着実に成長しており、「中信こそ(日本と米国が)融合してるような感じです」と、グローバルな姿勢を高く評価していた。

 陳傑憲が秋山と源田のプレーを参考にしているように、台湾では「日本の選手への憧れはかなりあると思います」と知念は語る。ロッカールームではNPBの試合が流されており、それを皆が常に観ているため、台湾人選手たちも「台湾読みでいいなら、ほとんどの(NPB)選手の名前はわかる」とのこと。また、日本の試合が行われていない時間帯にはMLBの試合が流されているため、「両方を見て、いいものだけを取り入れている」ようだ。

 かつては国際試合で日本が大きく優位に立っていたものの、2018年11月の壮行試合では日本代表を相手に勝利を収めたということもあり、日米のいいものを取り入れていく姿勢が「成果に出てきていると思います」と知念は分析。「リーグの規模は全然違いますけど、国際大会で考えると、もしかしたら追いついてきてるのかな」と感じているという。

 統一が開幕前に日本のチームと試合を行うのは珍しいことであり、若手の多い遠征メンバーにとってこの経験は貴重な財産ともなりうる。同僚たちに今回の遠征で持ち帰ってきてほしいこととして、知念は次のように語っている。

「相手はパ・リーグ優勝チームですし、(同僚たちには西武の)丁寧さを見てほしいですね。大雑把な部分も台湾のいいところだとは思いますが、(西武は)ものすごく丁寧だと思うので。また、日本のピッチャーが投げるボールの質が(台湾とは)違うので、そこは体感してほしいですね。日本的に言うと『動かさない、伸ばす』感じなのですが、台湾のピッチャーは両方、沈めるピッチャーもいますから」 

 台湾は2019年11月に行われる「WBSCプレミア12」の開催地の1つで、日本と同組に入るライバルでもある。近年目覚ましい進化を遂げつつある台湾野球に触れられる貴重な機会でもある今回の試合を、これまで挙げてきた観点から楽しんでみるのも一興ではないだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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