独立Lで驚愕の156キロ…元DeNAドラ1北方、NPB復帰への思い「野球が好き」
野球への情熱は消えず「もしかしたらNPBに行けるんじゃないかな」
北方は唐津商(佐賀)から2012年ドラフト1位でDeNAに入団。2014年に戦力外となり、15年にソフトバンクの育成選手となった。しかし、1年で戦力外となると、その後はBCリーグ群馬や四国アイランドリーグの愛媛を経て、昨年は信濃でプレー。16登板で0勝3敗、防御率7.22だった。
数球団を渡り歩いても、野球への情熱は消え失せてはいない。
「スピードも戻ってきているし、感覚も年々、よくなってきているので、(NPB復帰を)諦められないんです。今のフォームだとボールが指にかかる感じもよくて、気持ちよく投げられています」
DeNA3年目の2014年はフォームも崩し、苦しかった。スリークオーターやサイドスローも試し、自分の生きる道を模索した。しかし、本来の姿にはなかなか戻らなかった。今の形にたどり着くまでも、カブスのダルビッシュ有投手やソフトバンクの千賀滉大投手の動画を見て、身体の使い方を自分なりに研究した。自分で長く、暗いトンネルを抜けて、少しずつ光が見えてきた。
「頭と体が一致しない状態が続きました。でも、野球が好きなので……。今は自信がついてきている部分はあります。もしかしたらNPBに行けるんじゃないかなという気持ちは増していっています。高めの真っ直ぐでファウルとか取れるようになれば、ピッチングが幅広くなると思うんです」
後ろ向きになっている北方の姿はそこにはない。目は輝いている。
栃木ゴールデンブレーブスの寺内崇幸監督は「初めての実戦としては良かったと思います。打たれても次、必ず抑えてやるという気持ちで次に切り替えていければプロの道は開けてくると思います。1年間、怪我をせずに頑張ってほしいです」と背中を押す。戦力として期待し、プロへの道もアシストしていく。
NPBに再び戻ることは、簡単なことではない。それでも、苦労を乗り越えてきた北方ならば、その可能性を感じてしまう。そんな思いがボールと言葉には込められていた。25歳の夢は終わらない。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)