「防ぎようのない選手」王貞治球団会長が語ったイチロー、WBCでの秘話も…

「1人の人生が多くの人に影響を与えるということはないんで、これからもずっと語り継がれていくでしょう」

――連絡は?
「昨日見ていて、一昨日ちょっとお会いして話をしましたけど。昨日はちょっと用事があって東京にはいなかったんでテレビでしか見れませんでした。まあ、小さなことだけど、ヒット1本打って欲しかったね。彼も一生懸命応援してくれているファンの前で打ちたかったんじゃないかなと思います。連絡はしてません。しばらくは放っておいてあげましょうよ。そのうち、どうせアメリカに帰ってアメリカで生活するんでしょうから、しばらくしたらメールでやり取りしますよ、また」

――どんな言葉を
「今回のフィナーレを見ても、いかに彼の野球人生が多くの人に感動を与えたか。これはもう1人の人間の人生がそれだけ多くの人に影響を与えるということはないんで、これからもずっと語り継がれていくでしょうね」

――これからどう野球界に貢献を?
「野球界からまるっきり離れるということはないと思うんですね。昨日もちょっと話していたけど、子供達と野球をやるということに興味を持っているようでしたからね。だから彼のいろいろ経験したこと、持っている考え方とか技術とかを少しでも若い人たちに分かりやすく伝えていってもらいたいなと思います」

――会見はかなり遅い時間でしたが
「1時過ぎていたよね。でも、やっぱりあれだけの選手が引退するにあたって色々話す場面ていうのは見逃したくなかったからね」

――彼らしい会見だった。
「彼の感性での言葉というので、自分なりに苦悩があって、あのレベルでの苦悩があるわけじゃない。3本に1本打ちゃいいっていうレベルじゃないからね。それはそれなりの苦悩があっただろうし、アメリカ行ってからも、最初は行ってもどうしても受け入れてもらえないんだよね。でも彼が言っていたように、自分が結果、形で示すことによって受け入れられ、逆に敬意を持って接してもらえるようになったと言っていたけど、結局自分で道を切り開かないとそういう風にならないということだよね。今回の彼のことというのは、新たなチャレンジをしていく人にとってものすごいプラス、野球のことだけじゃなくて前に出るということは大変なことなんだと、でも前に出なきゃ味わえないことだし、右足を一歩出したら、次は左足を出すということを勇気を持ってやれ、というようなことを言葉の中に含んでいた。野球選手だけじゃない、特に多くの若い人たちにいい言葉だったと思う」

「やっぱりとにかくどんなところでも手を抜かない」

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