開幕11試合で9勝2敗 好調マ軍を変貌させたディポトGMのマル秘戦略

開幕から11試合で9勝2敗と好調のマリナーズ【写真:Getty Images】
開幕から11試合で9勝2敗と好調のマリナーズ【写真:Getty Images】

ここまでの本塁打数はメジャートップの27本塁打

 マリナーズの打線が留まるところを知らない。3月下旬の日本開幕シリーズ後、初の遠征となったホワイトソックスとの3連戦最終戦を12-5の圧勝で締めくくり、7日(日本時間8日)現在、11試合で9勝2敗と大きく白星を先行させている。

 この日も3本塁打が飛び出し、本塁打はメジャー30球団でトップの27本。開幕からの連続本塁打試合を「11」に伸ばし、球団記録の更新を続ける。この脅威の打線は、リーグ1位を誇る打率.278に加え、OPS(出塁率+長打率).917も他球団を凌駕している。

 新加入の選手が日々のスタメンの半分以上を占める今季のマリナーズ。繋がりは未知数だったが、この状況を“順風”と受け取っていたのがスコット・サービス監督だ。

 話はオープン戦初戦を前にした2月20日に遡る。サービス監督は朝の定例会見で笑みを浮かべながら胸の内を言葉にしている。

「今年ほどキャンプ地に来る日を楽しみにしたことはない。その理由の一つは、マイナーリーグを含めて新加入の選手が多く加わったことにある。今春は我々が描いた方向性をより強く示せると思うし、その舵取りができる方法が整っている」

 歯切れよく話すサービス監督はあの日の会見後、シーズン89勝を上げながら、終盤に失速しワイルドカードでのポストシーズン進出を惜しくも逃した昨季を述懐し「打席での意識改革が浸透しきれなかった」と結んだ口元に悔しさを滲ませた。では、その「描いた方向性=意識改革」とは何なのか。

 その本題に入る前に、まず、提唱者ジェリー・ディポトGMが行った組織改革について触れよう。

ディポトGMは就任後、1年半の間で39度のトレードを成立させて99人の選手を動かした

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