平野佳寿、2年目のジンクス打破へ ブレない日々の準備に加える変化
オリックス時代からの“愛棒”丸山哲トレーナー「昨年より今年の方が…」
昨季は日本投手で歴代最多の75試合登板を果たし、蓄積疲労を不安視する声も上がったが、その兆候はまったく見られない。オリックスで2016年から2年間コディショニングを担当し、昨年、平野と共にDバックス入りした丸山哲トレーナーが日々の観察からその見解を示す。
「メジャーでの流れがわかってきて、僕からの指示や助言はほとんどないです。ここまで見てくると、その本数は多くはありませんが、中継ぎ陣の全体練習で走らなくてもいい日に一人で走り込みをしています。昨年よりは今年の方がむしろ動いていますね。ですから春のキャンプから頃合いを見計らって、動き過ぎに注意するようにと伝えてます」
更に、丸山氏は今季の平野の変化を指摘する。
「ちょっと打たれた時期に、(横の動きになる)キャリオカをやったりサイドステップやったりとかしてました。彼はいろんなことを考えてやっているので、僕は見てるって感じですね(笑)」
これで思い出したのが、昨年の9月のとある日のこと。丸山氏の指示によってランニングとジグザグ走の次に、横方向に進むサイドステップ、そして最後は腰を回転させながら横方向へ進むキャリオカで約20メートルの距離を往復。投球は一方向への動きを繰り返すため、多方向への動きをすることで「体の状態を確認できる」と丸山氏。今季の平野は早い段階から状態を自覚し、その修正に取り組んでいる。
臥位、立位での前後左右のバランスを確認しながら行う20種ものメニューを消化してから、フィールドに出ていくルーティーンはまったく変わらず。
ブレない日々の準備に自己観察力を携えた35歳の右腕は、2年目のジンクスをぶち破る。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)