「全打順本塁打」達成者は全員がパ・リーグ経験者 11人から見える傾向とは?

井口はダイエー、メジャー、ロッテで活躍、現在はロッテ監督

○井口資仁氏(ダイエー→米大リーグ→千葉ロッテ)
通算成績:実働17年 1915試合 1760安打 251本塁打 1017打点 176盗塁 打率.270

 井口氏は広い福岡ドーム(当時)を本拠地としながら年間30本塁打を放った長打力、2度の盗塁王に輝いた俊足、二塁手として3度のゴールデングラブ賞を受賞した守備と、走攻守の全てを高いレベルで備えたリーグを代表する名二塁手として活躍。2003年には打率.340、27本塁打109打点という素晴らしい成績を残し、米球界に挑戦した2005年にはホワイトソックスの一員として世界一にも輝いた。帰国後に加入した千葉ロッテでも精神的支柱として2010年の日本一に貢献し、現在は同チームの監督を務めている。

○吉村裕基選手(横浜・横浜DeNA→福岡ソフトバンク)
通算成績:実働14年 968試合 759安打 131本塁打 419打点 35盗塁 打率.253

 吉村選手はプロ4年目の2006年に打率.311、26本塁打、66打点の好成績を残してブレイクし、そこから3年連続で24本塁打以上を放つ活躍で若き主砲として存在感を示した。しかし、2010年以降は深刻な不振に陥って主力の座から外れてしまい、2012年オフにトレードで地元球団でもある福岡ソフトバンクへ移籍。2014年には64試合で打率.296、5本塁打、29打点と、かつての快打を思い起こさせる活躍を見せて故障者の穴を柔軟に埋め、リーグ優勝と日本一にも貢献している。

○後藤光尊氏(オリックス→楽天)
通算成績:実働15年 1361試合 1265安打 95本塁打 476打点 83盗塁 打率.269

 後藤氏は2001年のドラフト10巡目での入団と決して前評判の高い存在ではなかったが、プロの舞台でその実力を発揮し、攻守に華のあるプレーを見せてチームの主力へと成長していく。球団合併後も熾烈な二遊間の争いを勝ち抜いて出場機会を確保して、2010年には主に3番として自身初の全試合出場を達成し、打率.295、16本塁打、73打点と活躍を見せる。続く2011年には統一球導入の影響で球界全体の打撃成績が下降する中でリーグ3位の打率.312を記録する活躍を見せるなど、12年間にわたってオリックスの力となり続けた。

○浅村栄斗選手(埼玉西武→楽天)
通算成績:実働9年 1113試合 1178安打 147本塁打 645打点 68盗塁 打率.287(2018年終了時点)

 浅村選手はプロ3年目の2011年に台頭を見せて早くも規定打席に到達すると、2013年には4番として打率.317、27本塁打、110打点を記録して打点王を受賞。その後もレギュラーとして活躍を続け、2016年から3年連続で全試合に出場して不動の地位を築く。2018年には打率.310、32本塁打、127打点の大活躍で2度目の打点王に輝き、埼玉西武のリーグ優勝にも大きく貢献。オフにはFA権を行使して楽天に移籍し、新天地でも「3番・セカンド」として存在感を放っている。

○島内宏明選手(楽天)
通算成績:実働8年 589試合 525安打 44本塁打 220打点 42盗塁 打率.274(2018年終了時点)

 島内選手はプロ2年目の2013年に97試合で打率.284という数字を残し、下位打線から上位につなぐ役回りとしてチームのリーグ優勝にも貢献。この年の終盤に負ったケガの影響もあってか、そこから2年間は不振に陥ったが、2016年に114試合で打率.287と復活。2017年からは2年連続で規定打席に到達して2桁本塁打を記録し、完全に主力の座へと定着。今季は開幕から4番を任され、チームの軸のひとりとして奮闘を続けている。

本塁打が絡む記録ながら、達成に必要なのは長打力だけではなく……

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