「全打順本塁打」達成者は全員がパ・リーグ経験者 11人から見える傾向とは?
指名打者制度の有無が、記録達成の難易度にも大きく影響?
4月20日、楽天の島内宏明選手が史上11人目の全打順本塁打を達成した。達成人数を見てもわかるとおり、この記録は70年以上の歴史を誇るNPBにおいてもかなり希少な部類に入るものだ。
そして、この記録を達成した選手たちの経歴を確認してみると、興味深い事実が見えてきた。11人全員がパ・リーグ球団への在籍歴があり、福岡ソフトバンクへの移籍前に記録を達成した吉村裕基選手を除く全員がパ・リーグ球団在籍時に記録を達成しているのだ。
ここまでの偏りがある背景としては、やはりパ・リーグが指名打者制度を採用していることが影響していると考えるのが自然だろう。稀に「8番・投手」という打順を採用したチームこそあるが、指名打者制度のないセ・リーグでは9番に投手以外の選手が入ることは少ない。そのため、セ・リーグのチームに所属している選手は、交流戦におけるビジターゲーム等の限られた機会でしか「9番での本塁打」を達成するチャンスがないのが現状だ。
そして、達成者の顔ぶれを見ていくと、それ以外にもさまざまな傾向が見えてきた。そこで、今回は全打順本塁打を達成した11人の選手たちの通算成績と球歴を振り返り、この記録を達成するためには何が必要となってくるのかについて考察していきたい。