「全打順本塁打」達成者は全員がパ・リーグ経験者 11人から見える傾向とは?

長打、俊足、確実性、守備力など兼ね備えた選手が「全打順本塁打」を達成?

 特定の傾向が見えるのは打撃面に限った話ではなく、守備力に優れた選手が多いということも一つの特徴と言えそうだ。守備が良ければ打撃不振に目をつぶって下位で先発起用されたり、若手時代にスタメンに抜擢されるチャンスが増えることにもつながる。そのため、下位打線でホームランを記録するためには、長い現役生活を送ることと同様に、守備能力の高さも大きな要素となっているのかもしれない。

 以上の要素を総合すると、長打力はもちろんのこと、俊足、確実性、守備力、継続性といった、プロ野球選手にとって重要な才能を数多く兼ね備えていないと「全打順本塁打」の達成は難しいと結論できそうだ。達成者のほとんどがチームの主力として活躍した好選手であるという事実も、そのハードルの高さを示す証左かもしれない。

 走攻守の全てを備えた選手は現在の球界にも多く存在するが、彼らの中から史上12人目の全打順本塁打を達成する選手は生まれるだろうか。令和の時代に入ってから初めてこの記録を達成する選手は、いったい誰になるのか。チームを長年支えた証ともいえる、全打順本塁打という“隠れた偉業”に、あらためて注目してみてはいかがだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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