左右両打席弾&連続「無視」…ハム杉谷、高校では左打ち初挑戦でサイクルの伝説も
史上19人目の快挙「2打席連発自体、野球人生初めてだと思います」
■日本ハム 11-2 楽天(23日・札幌ドーム)
日本ハムの杉谷拳士内野手が23日、史上19人目となる左右両打席本塁打の快挙を成し遂げた。チームでは07年セギノール以来。連敗を4で止めた立役者は「打った本人が一番ビックリしています。今年から僕は“スギノール”として頑張っていきます。グッズもつくってもらおうかな」とノリノリだった。
「2番・中堅」での先発起用を意気に感じた。「辛島にはずっとやられていたし、スタメンは監督からの『お前、打ってくれよ』というメッセージ。前のめりでいきました」。今季ここまで防御率0.90に抑えられていた楽天の先発・辛島からまずは初回に先制犠飛を打ち上げた。
ド派手なワンマンショーの幕開けは5回だ。右打席に立った第3打席、辛島に2球で追い込まれながらもファウルで粘る。「粘っておけば、甘い球が必ず来る。強い気持ちで甘い球をしばきました」と10球目の133キロ直球を振り抜いた打球は左翼席に飛び込む今季1号ソロとなった。
続く6回の第4打席は「右よりも球が見えている」という左打席に立ち、楽天の2番手・今野の144キロ直球を右翼席に放り込んだ。「いい感じでスピンがかかっていて。打った瞬間、入ったと思いました」と振り返る快心の2号2ラン。昨季までのプロ10年間で通算8本塁打だったスイッチヒッターは「2打席連発自体、野球人生初めてだと思います」と目を丸くした。
2本ともベンチに戻るとハイタッチを“スルー”されるサイレントトリートメントを受けた。「サイレント、サイレント。ただ無視じゃないかと思います」とまくしたてたお祭り男は2本目を放った後に鶴岡慎也バッテリーコーチ兼捕手に抱きついた。「ツルさんもバッティングで苦しんでいたところがありましたし、僕自身もなかなかヒットが出ない状況だったので。今日は隣に座って『お互いに行くぞ』という話をして、感情の爆発が出てしまいました」と照れくさそうに笑った。