「素材はすごい」―独立Lで対戦した岩村明憲氏が語る、ドジャース北方悠誠の可能性
マイナーでは「日本以上に打者の目がスピードボールに慣れている」
ドジャースでは傘下マイナーからメジャー昇格を目指すことになる。ルーキーリーグから3Aまであるマイナー組織で、どのレベルに配属されるかは未定だが、岩村監督は成功の鍵となるのは「ストライクを取れる変化球」だと見ている。
「真っ直ぐだけじゃNPBでも無理。現実的に、大谷(翔平)君が投げた165キロの球も本多(雄一)君にファウルにされているわけですよ(2016年10月16日ソフトバンク戦)。スピードボールだけだとNPBでも難しい。プラスαが欲しいわけです。大谷君にはスライダーとフォーク、クルーンにもフォークがあったでしょ。
アメリカで生き残るには、ストライクを取れる変化球を磨いた方がいいですね。マイナーであっても、150キロ台後半の球を投げる投手はいっぱいいるので、日本以上に打者の目がスピードボールに慣れている。ストレート1本で押すのは難しい。だから、新しい環境でボールもマウンドも違う中で、ストライクを取れる変化球を習得していけばいいんじゃないかと思います。彼にとって一番大きなことは、レッテルを貼られていない真っ新な状態でスタートできること。日本では一度貼られたレッテルを剥がすのは難しいから」
文字通りの新天地で、北方がどんな成長を見せるのか。日本の独立リーグからメジャー昇格という大きな挑戦は、もうすぐ幕を開ける。
(佐藤直子 / Naoko Sato)