ロッテ種市、進化した姿を見せた7回3失点 「もう1イニング行きたかった」
前回の反省を生かし、フォームのクセへの対策も
どんな投手でも立ち上がりは難しいと言われているが、そこを超えていかないことには、勝利にたどり着くことは難しい。改善策については技術的な部分ではなく「気持ちの面」だと、種市は捉えている。開き直りが自らの投球スタイルを思い出させ、その結果「失点はしましたが自分の中では、3回から感覚的には良くなって行っていた」と、初回からあった「ふわふわ感」もなくなり、しっかり腕を振って投げることで、状況は好転して行った。
「(ボール自体は)よくも悪くもないという感じでした。フォークで空振り三振が取れていましたが、あまりいい感触ではなく落ちていなかった。腕が振れていた分、打者はストレートと迷ったんだと思います」と話し「もっと腕を振っていきたい」と、投球の原点の大切さを再確認していた。
前回8失点の要因となったフォームのクセへの対策も行い「違和感なくできてましたし、自分のリズムで投げられていたと思います」と、その部分についても手応えを感じていた種市。立ち上がりこそ課題が残るが、中盤以降、修正して見せての7回3失点。先発としては十分な役割を果たすこととなった。
3勝目をあげた5月16日のオリックス戦では、続投意欲を見せながらも6回で降板。今回はその時より投球回が1イニング延び、今季最長イニングとなったことに触れると「もう1イニング行きたかったです! 自分の中では」と、力強い言葉で即答した種市。「中6日で投げるピッチャーなら115から120球は投げたいと、自分の中では思っています」と、先発投手としての理想は高い。ただ「まだシーズンもはじめの方だと思いますし、気を使ってくださっているのだと思います」と、段階を踏んでの成長を考慮している首脳陣の思惑も十分に理解している。
昨年のプロ初先発から、ソフトバンク千賀投手との自主トレ、ロングリリーフでの開幕1軍、プロ初勝利と短期間で多くの経験を得ながら、成長を続ける種市。自ら望む高い理想に向け、日々課題と向き合いながら、成長を続けていく20歳の右腕。次回登板が予想される13日のDeNA戦では、どんな姿を見せてくれるのだろうか。高鳴る期待が鳴り止まない。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)