BCリーグ茨城、32歳の球団代表が抱く夢「僕は目線、4つ向いてますね」

参入1年目で観客動員1万人突破も「本当は年間4万人を目標にしていたんです」

――それが成功したわけですね。WEB制作会社以外にも手を広げられました。

「はい、障碍者就労支援事業です。当時は水戸市内にもそんなに多くはなく、狙い目だと思いました。ビジネスというより、僕は社会貢献したい思いがあった。前職が激務で、同期がうつ病や、引きこもりになったりで、そんな同期を救えないかなと思ったりもしました。父親は(陸上)自衛官で転勤族。生まれは広島なんです。実家がいいわけでもなく、何の後ろ盾もなかったですね」

――独力で頑張って、順調に業績も伸ばし、球団作りの足がためができたわけですね。

「最初は(障碍者支援事業の)競争相手も少なく、人も集まりました。実は、サラリーマン時代に、ボーイズリーグでチームメートだった小野瀬将紀(現茨城主将兼守備、走塁コーチ)を通じて、長峰昌司(元中日、オリックス、現茨城GM兼ヘッドコーチ)さんを紹介されたのが全てです。球団を作りたい夢を語ったら、それは面白いということで、結局、脱サラして立ち上げた障碍者就労支援の会社に入社してもらい、そこから本格的に球団づくりに入ったわけです。具体的な方策は全くなく、一緒になって汗をかきながら、ここまでやってきました。今では支援いただいている(スポンサー企業が)100社余りにもなりました」

――参入1年目で観客動員1万人超えは凄いじゃないですか?

「本当は年間4万人を目標にしていたんです。そのためには1試合平均1111人必要なんですね」

――なるほど。さすがにルーキー球団としてはリーグで苦戦していますが、今後の夢は?

「僕は目線、4つ向いてますね。ひとつはどれだけ地域に貢献できるか。2番目はファンをどれだけ喜ばせられるか。次にスポンサーに広く魅力を感じてもらえるか。最後は選手をどう育成、強化するか。このチームでよく6勝できたなって。監督、コーチがよく頑張ってくれました。選手はもっと練習してもらいたいですね」

――夢の道のりは長いですが、頑張ってください。有難うございました。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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