「自分をHappyにするものの1つに…」DeNAが女性向けイベントを開催する狙い
「もっとたくさんの方に野球を愛してもらいたい」
さらに、開催当日は横浜スタジアムに様々な“仕掛け”がされた。お気に入りの選手と記念撮影できるようスタジアム各所に6選手の特大パネルを設置。スマートフォンでパネルに記されたQRコードを読み取ると、写真撮影時の舞台裏の映像が見られる斬新さが人気で、中には30人以上が並ぶ場所もあった。その他、選手の缶バッチ付きの期間限定メニュー、選手の写真が貼られた特別パッケージのドリンクを販売。イベント用の写真撮影では「普段かっこいい選手のかわいいポーズを撮りたくて(笑)。選手も最初は『えぇ~っ』と言いつつ、最後は率先して協力してくれました」と池田さん。選手を含めたチーム全員の協力があってこそ、イベントは成り立っている。
イベントを盛り上げるため、来場者の声を知るために、SNSも重要なツールとなっている。「SNSでの拡散もプロジェクトを考える上で大切なこと。お客さんの反応を見て、次に活かすようにしています。今年はアンバサダーの3名がそれぞれ感じたことを自分の言葉で、同世代の女性に発信してくださいました。」と、手応えを感じたようだ。
女性をターゲットとしたイベントを開催するのは、「野球観戦の楽しさをもっとたくさんの女性に伝えたい」という想いがあるからだ。
「もっとたくさんの方に野球を好きになってもらいたい、という想いは、どの球団も持っていると思います。初めて球場に来た女性でも、スッと入りやすい空間やコンテンツを用意しておくこと。ルールを知らなくても、球場の開けた空間で、選手の登場曲や様々な場面で流れる音楽や試合の雰囲気を楽しんでもらうだけでもいいと思うんです。ハマスタでは“ヤスアキジャンプ”も体験できますし、応援の一体感を味わっていただけると思います。そして、また来たいと思っていただけたら、選手の応援歌を覚えていただくのもまた楽しいかもしれません。」
イベントが開催された3日間には、4年前に乙坂智選手のファンになったという母娘、オリックスから加入した伊藤光選手を追いかけてDeNAベイスターズファンになったという女性3人組の他、応援し続けて40年という夫婦も来場。球団の変遷を見続けてきた熟練ファンの女性は「この賑やかで若い人が多いハマスタの光景が信じられないわ。スタジアムがパッと明るくなっていいわね」と大歓迎の様子だった。
横浜の日常風景としてDeNAベイスターズと横浜スタジアムが溶け込むように、球団のチャレンジは続く。
(白井京子 / Kyoko Shirai)