大谷翔平は「最もエキサイティングなDH」米メディアは二刀流復活にも期待
大谷の「wRC+」143はメジャー11位タイ
打者大谷の実力はデータが証明している。特集では打席当たりの得点創出力を評価する指標「wRC+」を用い、大谷がデビューした2018年以降、500打席以上を記録したメジャー打者上位の成績を紹介。
1位はエンゼルスの天才マイク・トラウト外野手が191とダントツだが、大谷はブレーブスのフレディ・フリーマン内野手と並ぶ11位タイの143と紹介されている。
7位のドジャースのコーディ・ベリンジャー内野手は145、9位タイのヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手は144で、メジャーを代表するスラッガーを肉薄する堂々たる強打者ぶりを示している。
特集では、今季メジャー2シーズン目となる大谷の、打撃に関する変化を指摘している。ストライクゾーンの内角への投球に対するスイング率が僅かに上昇し、その一方で外角への球にはスイング率が僅かに減少していると言及。初球へのスイング率も前年度よりも高まっているという。初球にコンタクトした際、キャリアにおける打率は.446、長打率は1.054という凄まじいデータを紹介。「(それら微々たる変化を)一まとめにすることで、その僅かな違いがオオタニの全体的な攻撃面の成績を押し上げることに繋がっている」と評価されている。
そして、マイク・ソーシア前監督が昨季代打起用することの多かった左腕という弱点克服にも注目している。
得点力を表現する指標「OPS+」で平均的な打者の数値は100だが、昨季の大谷の左腕相手の数値は82だった。今季は137と平均を大幅に超えていることを紹介している。
一方で、特集では打者・大谷の伸び代も指摘することも忘れていない。反対方向に飛ばすパワーや打球の初速の驚異的なスピードに対して、MLBのトレンドとは相反するグラウンダーの打球率の高さに注目。メジャー平均では昨季から今季これまでにかけてほぼ横ばいの43パーセントに対し、大谷は昨季の約44パーセントから55パーセント以上まで上昇しているという。
「これは問題だ。なぜなら、強烈な打球を放つことと、強烈な打球を正しい方向に放つことは全く異なる重要なステップだからだ」と記事では指摘。「外野フェンスを飛び越えるようなフライボールを打つのではなく、ゴロになってしまっているようでは、それ(速い打球)も無駄に終わってしまうことのほうが多くなる」と分析している。
打者・大谷は優秀すぎるが故に、アメリカでは打者専念論もにわかに高まりを見せている。
「エンゼルスは彼をフルタイムの打者に変えたほうがいいと結論付ける人間もいるかもしれない。皮肉なことに、オオタニが米上陸時に多くの疑惑の声が上がっていた予想とは真逆だ。彼はマウンドで開花するので、打者にこだわらず、フルタイムの投手になる必要があるというものだった」
記事ではこう指摘している。毎日打者として貢献し、強肩、快足、運動能力抜群の右翼手として「『非常に素晴らしい』と言わないまでも、『有能』なプレーをすることは疑いの余地はないだろう」と分析している。