ヤクルトの若き大砲・村上、松井秀喜氏に近づくために必要なこと
打率こそ低いが本塁打は94年松井秀喜氏(巨人)以来となる高卒2年目以内での20号到達
ヤクルトの高卒2年目・村上宗隆内野手が、苦しみながらも懸命に2019年のペナントレースを戦っている。三振あり、失策ありとプロの壁にぶつかる一方で、本塁打は94年の松井秀喜氏(巨人)以来となる高卒2年目以内での20号に到達。1日のDeNA戦では21号を左翼席へ放った。打点は巨人坂本勇、DeNAソトらとトップ争いを繰り広げている。巨人時代の松井氏を見てきた元スコアラーの三井康浩氏に、村上の良くなった点と、松井氏のようになるために何が必要かを分析してもらった。
村上選手は以前よりも打席で頭が残るようになり、懐が深くなりましたね。両サイドに飛距離がしっかりと出ています。
バッティングのタイプで見ると、“衝突型”。ステップが広くなって、頭が突っ込んでしまい、内角の速球系には詰まってしまう。なので、シーズン序盤には、投手からすると内角の真っ直ぐを突けば振ってくれていたと思う。開きが早くなって、外、または真ん中に落とす変化球が有効だった。いつでも三振がとれるような簡単なバッターのように見えました。
真っ直ぐが強いのか、変化球が強いのか、そういう視点でみると、やっぱり変化球の方が強い。特に中間球。スライダー、カットボール、真ん中に入ってくるフォーク、130~140キロのボールにすごくタイミングが合いやすいのかなと見ていて思いました。
最近の村上選手は、頭の中に、内角のストレートへの意識が強くなってきた。その練習をしてきているから、内角をさばく腕の通りが良くなったし、柔らくなった。内角の直球をとらえて本塁打が打てるようになってくると、対戦するバッテリーもインコースに投げる時“間違ったら怖い”というふうになる。速球系はボール球にして、変化球で勝負をしたいと警戒し、攻め方が変わってきます。
けれど、元々、変化球が得意なように見えるので、懐が深くなったことで内角の速球も、勝負してくる外の変化球も打てるようになっていますね。