昨季シーズン中のトレードの成果と現在 移籍2年目に躍進を見せる選手も…
藤岡はすでに巨人にトレード、ホークス松田は2年目に大活躍中
○ロッテ:岡大海外野手(日本ハム)
昨季成績:51試合 3本塁打13打点 打率.204
今季成績:63試合 3本塁打5打点 打率.206
荻野貴司外野手のケガを受け、その代役として加入。28試合で打率.154と絶不調だった移籍前からやや成績を向上させたが、通年での打率は1割台にとどまった。それでも、年間12盗塁を決めた走力と広い守備範囲を活かしてチームに貢献すると、荻野貴が復帰した今季も、スタメン、代走、守備固めと幅広い起用に応え、多くの出場機会を得ている。
○日本ハム:藤岡貴裕投手(ロッテ)
昨季成績:4試合 0勝2敗 防御率6.52
今季成績:2試合 0勝0敗 防御率15.00
移籍後の8月16日、古巣のロッテを相手に移籍後初登板初先発のマウンドに。しかし、この試合で4回1/3を5失点と“恩返し”は果たせず、中継ぎとしても結果を残せなかった。今季も2試合で防御率15.00と苦戦は続き、6月26日に鍵谷陽平投手とともに、吉川光夫投手、宇佐見真吾捕手とのトレードで巨人へと移籍した。
○ソフトバンク:松田遼馬投手(阪神)
昨季成績:2試合 0勝0敗 防御率6.00
今季成績:35試合 2勝1敗3ホールド 防御率2.68
2018年途中にソフトバンクに移籍したものの、登板はわずか2試合と結果を残せず。だが、今季は開幕から多くの登板機会を得ると、13試合連続で無失点という快投を見せて首脳陣の期待に応える。その後も時にはイニング跨ぎも厭わずに登板を重ね、安定した投球でブルペンに厚みをもたらす存在となっている。
○阪神:飯田優也投手(ソフトバンク)
昨季成績:1試合 0勝0敗 防御率12.00
今季成績:3試合 1勝0敗 防御率10.80
2018年は移籍後1試合に登板して防御率12.00、2019年はここまで3試合で防御率10.80と、かつては1軍でも2年続けて30試合以上に登板し、防御率3点台と実績を残した左腕としては不本意な結果が続いている。しかし、2軍では29試合で3勝2敗3セーブ、防御率2.67と好投を見せており、巻き返しの機会を伺っている最中だ。
このように、伊藤光、曽根、岡、松田遼といった面々が昨季よりも活躍の場を広げており、小川も成績は落としながらも一定の活躍を見せていた。高城や藤岡のように移籍後は苦しんでいる選手もいるが、今季プロ初本塁打を放った25歳の美間のように、将来性に期待できる選手もいる。
必要とされて新たなチームへと向かうトレード移籍は、選手本人にとっても飛躍に向けた大きなチャンスとなりうる。移籍2年目の躍進を見せている選手たちと同様に、今季のシーズン途中移籍組も、今季、あるいは来季以降に新天地で貴重な戦力となる可能性は十分だ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)