7回以降に驚異の得点率、3試合連続逆転勝利の中京学院大中京 データで楽しむ夏の甲子園【第12日・第1、第2試合】
中京学院大中京・元は投打に活躍
○中京学院大中京 6-3 作新学院
【中京学院大中京】
打率.310 OPS.942 wOBA.418
O-swing% 20.3% Z-swing% 64.8% Swing% 39.1%
O-contact% 73.3% Z-contact% 91.4% Contact% 86.0%
Zone% 42.2% SwStr% 5.5%
【作新学院】
打率.206 OPS.584 wOBA.298
O-swing% 19.4% Z-swing% 58.2% Swing% 38.8%
O-contact% 69.2% Z-contact% 92.3% Contact% 86.5%
Zone% 50.0% SwStr% 5.2%
中京学院大中京・元謙太投手の各指標
4回2/3 打者数18 投球数65
WHIP 0.86 P/IP 13.93 GB/FB 1.14
Zone% 49.2% 空振り率 1.5%
ストレート 52.3% スライダー 24.6%
6回までのイニング平均得点が0.08点、7回以降のイニング平均得点が2点と、ラスト3イニングでの得点が集中している中京学院大中京。この試合でも7回以降に6点を挙げ、逆転勝利で学校創立以来初のベスト4進出を決めました。
6回まで 打率.238 出塁率.333 OPS.635
イニング平均得点 0.056 (18イニング1得点)
7回以降 打率.488 出塁率.553 OPS 1.236
イニング平均得点 2.57 (7イニング18得点)
このように、7回を境にまるで別のチームのような違いを見せています。7回以降、試合当初ほどの威力がなくなったり、制球が甘くなったりする投手の投球を見逃さずにスイングしている様子が伺えます。
この試合でも、投打に活躍する元謙太選手が8回無死満塁で、作新学院・坂主投手が立て続けに投げたストレートの4球目、135キロのど真ん中を軽快にスイング。逆転満塁ホームランとなりました。投手としても2度の登板で4回2/3でWHIPが0.86、無失点と投打で勝利に貢献しました。
鳥越規央 プロフィール
統計学者/江戸川大学客員教授
「セイバーメトリクス」(※野球等において、選手データを統計学的見地から客観的に分析し、評価や戦略を立てる際に活用する分析方法)の日本での第一人者。野球の他にも、サッカー、ゴルフなどスポーツ統計学全般の研究を行なっている。また、テレビ番組の監修などエンターテインメント業界でも活躍。JAPAN MENSAの会員。近著に『統計学が見つけた野球の真理』(講談社ブルーバックス)『世の中は奇跡であふれている』(WAVE出版)がある。