中日、今年のドラフトはいかに? 高校生ドラフト候補の評価、スカウト陣の“生の声”は…
地元にも上位候補、東邦・石川は「野手評価」
地元にも上位候補がいる。東邦の石川昂弥を推すのは東海地区担当の中原勇一スカウトだ。
「選抜優勝投手ですが、野手評価です。自分のポイントを持っていて、反対方向へ長打を打てるのが魅力。DeNAの宮崎(敏郎)のように率も残せるタイプだと思います。送球が安定しているのも長所」
近年、地元志向でもある中、中原スカウトは甲子園未出場の選手をマークしている。
「菰野の岡林(勇希)はエースで4番。150キロを投げる上、足が速い。変化球を当てに行かず、フルスイングできます。外野手として育てたいですね。愛産大三河の上田(希由翔)も積極性があり、逆方向へ飛ばす力があります」
得点圏であと一本が出ない戦いが続く中日。今、必要なのはチャンスに強い男だ。米村チーフスカウトは智弁和歌山の東妻純平の名前を挙げた。
「ランナーがいない時は一発を狙いますが、試合を左右するここぞの場面では必ずヒットを打つ勝負強さがあります。キャッチャーですが、内野手をできるセンスも持っています」
今年のドラフト会議は10月17日。米村チーフスカウトは最後にこう言った。
「若狭さん、今年も当日は会社にいてください」
私がドラフト取材に行くと、中日はくじを外すというジンクスがある。疫病神とまで呼ばれている以上、スカウト陣の1年の苦労を水の泡にすることはできない。ただ、社内待機を要望するということは競合覚悟ということか。運命の日が楽しみだ。
(CBCアナウンサー 若狭敬一/ Keiichi Wakasa)
<プロフィール>
1975年9月1日岡山県倉敷市生まれ。1998年3月、名古屋大学経済学部卒業。同年4月、中部日本放送株式会社(現・株式会社CBCテレビ)にアナウンサーとして入社。テレビの情報番組の司会やレポーターを担当。また、ラジオの音楽番組のパーソナリティーとして1500組のアーティストにインタビュー。2004年、JNN系アノンシスト賞ラジオフリートーク部門優秀賞。2005年、2015年、同テレビフリートーク部門優秀賞受賞。2006年からはプロ野球の実況中継を担当。現在の担当番組は、テレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜12時54分~)「High FIVE!!」(毎週土曜17時00分~)、ラジオ「若狭敬一のスポ音」(毎週土曜12時20分~)「ドラ魂キング」(毎週金曜16時~)など。著書「サンドラのドラゴンズ論」(中日新聞社)。